紫と黄色の海綿で擬態する甲殻類 ー アケウス

山口県周防大島 地家室海域公園 水温20℃

美しい紫色の海綿・・・それをハサミで千切って、甲羅や頭、足の上に取り付けている甲殻類がいます。

カニのハサミと眼が真ん中らへんに・・・見え・・・ない、かな?
微動だにしません。笑

別の日。ライトで照らすと眩しかったようで、ハサミが開きました。
ちょうど、左眼を半分隠しているようなポーズです。

足の上には、黄色と紫の海綿を、膝サポーターのように、ぽんぽんぽん、と付けています。

大きさは、3、4cmくらいでしょうか?まだ小さなアケウスです。

”アケウス”という名前は、何だかいつも私にはピンと来ず、よく名前をど忘れしてしまうのですが、学名(ラテン語)のカタカナ読みとして、そのままアケウスと呼ばれているようです。日本語ではないのですね。
どこからどこまでが本体なのか、いまいち分かりません。笑。とても興味深い生物だと思います。

この日は、帰り道、キジハタにも出会いました。

10cm以上ありそうですが、まだ顔つきが幼いです。

ここ地家室ではお初です。

警戒心が強く、近寄るのは少し、難しかったです。

ウミウシは大分減ってきましたが、小さなアズキウミウシを見かけました。

最近は少し水温が下がってきたからか、大量発生していたオヨギイソギンチャクは、鳴りを潜めてきました。

何かが大量発生したり、たとえばそこの環境が変化したりすることは、良いことなのか、悪いことなのか、
いつもオーナーの小川さんと、そういうことを話す時の結論は、「100年、1000年、10000年のスパンで私たちは見ることができないからね。そういう意味で、”分からない”だね。」という答えになります・・・。笑。
無知の知ですね・・・。

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山口県周防大島、
地家室海域ニホンアワサンゴ群生地スライドショー💕

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魚のあくび。

山口県周防大島 地家室海域公園 水温20℃

何枚も写真を撮っていると、時々、魚のあくびが写ることがあります。
いつか、あくびシリーズを作ってみたい・・・ひそやかな私の夢です・・・笑

キヌバリの仲間であるチャガラ。

そして、こちらは、キヌバリのあくびです。

婚姻色のニシキハゼも、そろそろ見納めの時期がやってきました。
こちらは、あくびではなく、驚かせてしまったので、口が開いています。

怖かったよね、ごめんなさい・・・。

瀬戸内の魚は、だいたいアースカラーだろういうのはかつての自分の思い込みで、本当は、温帯の海の中も、とても、彩り豊かであると、今は感じています。
青い稲妻のようなニシキハゼのほっぺ、大好きです。

ニジギンポの卵保護も、終盤に差し掛かってきました。

陸も肌寒くなってきましたが、少しずつ、海の中も冬の足音が聞こえてくるようです

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山口県周防大島、
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季節来遊魚。

山口県周防大島 地家室海域公園 水温20℃

今年は、季節来遊魚として、ハタタテダイがやってきてくれました。

地家室で見たのは、私は初めてです。
くりくりと動く目が、とてもキュートなお魚です。

カワハギのそばにいたり、

メバルと一緒にいる姿というのも、珍しいのではないかな、と思います。

今年、越冬したのではないかと疑っている、キンチャクダイも、大分大きくなっています。瀬戸内のホンダワラの海藻のそばを、南国風の色鮮やかな魚が泳いでいる風景というのは、不思議な感じがします。

季節来遊魚ではないけれど、秋になると、たまに見かけることのあるお魚もいました。

ひめじです。餌を探す途中で口ひげに他の魚が当たってしまうと、苛立ちを隠せないのか、前方の魚を追いかけ回していました。笑。

ライトが当たるとキラキラ光るヒイラギの群れも、秋の風物詩と言えます。
とても綺麗なのです。

この美しさを、どう撮ったらいいのか、マクロレンズでは写すだけで精一杯だったので、また次回の楽しみにしたいな、と思います^^

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山口県周防大島、
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ニジギンポの卵保護/夜光虫

山口県周防大島 地家室海域公園 水温23℃

今年は、ニジギンポの卵保護を多く観察することができ、嬉しいです。

ぷるぷるの黄色い卵が成長して、やがて目玉ができます。

卵を守るニジギンポの親の眼差しも・・・、

 

そのヒレ越しに見える卵も、綺麗だなぁ、と思います。

浅瀬では、夜光虫がたくさん発生していたので、撮れるがどうか、チャレンジしてみました。

夜光虫、おしりみたいでかわいいです・・・。笑

左上の黄色いプランクトンは、肉眼では赤い砂みたいに見えるのですが、今、たくさん発生しており、気になっています。

何というプランクトンか調査中です。

近年は、浅瀬の方にもアワサンゴが増えており、キヌバリとアワサンゴという組み合わせの写真も撮ることができますよ^^

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山口県周防大島、
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戦艦陸奥/テクニカルダイビング

2023/10/09&10 戦艦陸奥 山口県岩国市柱島沖 水温23℃

Love&Blueのテクニカルチーム4名で、2日に渡り、戦艦陸奥を潜ってきました。

今回、Nonoちゃんは、テクニカルダイビングの装備に加えて、初めてカメラを持って入るということで、トレーニングを重ねてきました。
練習の成果も出て、減圧の酸素切り替えもスムーズに行うことができました。

L&Bのエース、頼りになる陸奥のプロジェクトリーダーと、

ルート案内兼、減圧ダイビングリーダーの真弓ちゃん、

4人のチームでダイビングしました。

船内のランプと思われるものや、

靴のようなもの、

配電盤と思しきもの、

散らばったお皿やスプーンなど・・・、

ボトム40mを約30分、2日間で4ダイブ行いました。

夏は透明度が落ちるのに加えて、近くで底曳き網等の漁が行われていたりすると、もわっとした濁りが大量に流れてくることがあります。
どれだけ分かりやすい陸奥の写真を残していけるか、というのが私の課題なのですが、なかなか難しいなぁ、と思いました。
これからも、しっかりトレーニングを重ねていきたいと思います^^






歩くプラヌラ幼生、アワサンゴの赤ちゃん。

2023/09/30 山口県周防大島 地家室海域公園 水温23℃

アワサンゴから放出されたプラヌラ幼生は、着底場所を探して海の中を彷徨います。

ころんと、海底に転がったプラヌラ幼生は、写真を撮っているうちに、動いていくことがあります。

こんなふうに、そろり、そろりと・・・

嘘でしょ!笑、と海の中で笑いそうになりました。
昨年からずっと疑問で、でも、気のせいだと思っていたのです。しかし、やっぱり気になって、アワサンゴを飼育しているなぎさ水族館さんに伺ってみると、「繊毛が生えているから、自力で動くよ!」と教えて下さりました。・・・なるほど!!
昔、学校の理科で、ゾウリムシの繊毛とか、ミドリムシの鞭毛とか習ったな、あれが生えてるから動けるんだね〜!と感動しました。笑。

結構、伸縮しながら動いていくように思います。

プラヌラ幼生は種のような形で、手も足も見えないけれど・・・、
ちゃんと動いて、自分のお気に入りの場所を見つけることができるって凄いですね。
お尻をぴっとりとくっつけて、着底を完了させるようです。

成長が進むと、おまんじゅうのような形になります。

十二本のポリプが分かれて育っていき、大人のアワサンゴの形に近づいていきます。

アワサンゴの基底である白い骨格も、とても薄いのですが、すでにこの段階で観察することができます。

アワサンゴの中に散らばっている茶色の色素は、褐虫藻と呼ばれる藻類です。アワサンゴにとってなくてはならない共生相手は、赤ちゃんの時から、ずっと一緒なんですね。

ひと目盛りが0.5ミリの定規を当ててみると、とっても小さいことが分かります。ポリプが開いて1ミリほどの大きさでしょうか。
本当に可愛らしくて興味深い生き物です。

プラヌラを放出すると、弱って死んでいく大人のアワサンゴも多数います。

しかし、その死骸の上にも、着底したプラヌラ幼生が、新たなアワサンゴとして育っています。

これからも、その成長を見守っていきたいな、と思います^^

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アワサンゴ、プラヌラ幼生の放出。

2023/09/30 山口県周防大島(地家室) 水温24℃(max26℃, min&avg24℃)

今年は水温が高く、弱ったアワサンゴが多い印象でした。しかし、その萎んだ体の中でも、プラヌラ幼生はしっかりと育っていたようです。

アワサンゴの体内に見える黄色い粒が、
アワサンゴの赤ちゃん、プラヌラ幼生なのですが、

形は、種子植物の種のよう。少し縮み気味のポリプの真ん中から、スーっと出てきました。

ぽろ、と外にこぼれます。

体長は、数ミリほど。心地良い着底場所を目指して、海の中を漂います。

ぷりっとお尻を覗かせたプラヌラ幼生は、

通常、あっという間に旅立って行きますが、

たまに、アワサンゴのマウスに引っ掛かって、30分以上出て来ない幼生もいます。

実は今日、周防大島の水族館の方々にお会いする機会があり、アワサンゴの疑問をいくつも解決して頂き、感謝の気持ちでいっぱい、興奮冷めやらずブログを書いているところなのですが・・・、

写真を整理しながら、もしかして、こういうなかなか出て来ない個体は逆子なのかもしれないなぁ、とも思いました。笑。また機会があればお聞きしてみたいです。

アワサンゴの生態は、人間の私からすると、摩訶不思議そのもの、とても興味をそそられます・・・。笑。

さて、ちょうど1週間前が、ピークといえばピークだったのかもしれませんが、
今年はプラヌラ幼生が中々放出されず、アワサンゴの体内に残ったまま死んだ個体もあったのではないか、と思います。


(死んで骨格だけになったアワサンゴ)

とは言え、新しい世代もちゃんと、育っています。
小さな小さな、着底したてのアワサンゴ達、下の写真は、もともとは何匹のプラヌラ幼生から成っていたのでしょうか・・・?

上に2匹、左に4匹、右に1匹??かな・・・???
細長かった形状のプラヌラが、どんなふうに発達して、花びらを咲かせるように育っていくのか、気になります・・・。

毎年、変わりゆく環境の中で、どのようにこの海が育っていくのか、
これからも観察を続けていきたいな、と思います^^

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海中花、ウミヒルモの開花。

2023/09/04 , 2023/09/10 山口県上関&周防大島 水温24℃

海中に咲く花、ウミヒルモの花は、背の高さが爪楊枝ほどの
小さな、美しい種子植物です。

その宝石のような蕾が少し緩み・・・、

赤紫の花弁の隙間から、寒天質のような白い花粉が溢れてきました。

それは糸を引くように、水の流れに乗ってゆらゆらと広がっていきます。

内側で膨張する花粉の重みに耐えきれなくなった頃、

花びらが、こぼれるように開きました。

その姿は、さながら、小さな間欠泉のようです。
噴火したミニチュアの火山のようだとも思いました。

このような瞬間を目にしたのは初めてだったので、とても、感動しました。

開いたウミヒルモの花は、上から見ても、可愛らしいです。

反り返った花びらは、菫色のように見えたり、
もっと硬質な、アメジストの紫色のように感じられたりもしました。

光に当たるとキラキラと輝いて美しく、癒されるので、長い間、じっと見つめてしまいます^^

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ハタテダイとマハタの幼魚

2023/09/04  山口県上関 水温24℃

上関のとあるビーチでは、夏になるとハタテダイを見かけることがあります。

死滅回遊魚、季節来遊魚などと呼ばれますが、温かい海流に乗って瀬戸内までやって来た、旅人のようなお魚です。

ウミヒルモの畑の中を、スイスイと泳いでいます。

その尖った口で、縄張りに入って来る魚達を牽制し・・・、

自分の居場所を守っているようでした・・・。

兄弟なのでしょうか、2匹で身を寄せ合うようにして、片時も離れません。

さて、少し離れた場所に流木が落ちているのですが、
マハタの幼魚がひっそりと隠れていました。

動かずにしばらく待っていると、流木の陰から出てきてくれます。
出てくると白くなるみたいです・・・笑。

二頭身で、とても可愛らしいです。

こちらを不思議そうに眺めたり・・・、

ヒュッ、ヒュッと素早く泳いでみたり・・・、

口に入った砂を勢いよく吐き出したりしていました。

マハタを見たのは、私は初めてです。成魚は深い所に住んでいるようですが、
いつまでここにいてくれるかな・・・。

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ホソエガサに魅せられて。

2023/08/12 山口県周防大島 水温23℃

台風が過ぎ去った後、とても気になっていたのは、ホソエガサです。

カイワレ大根みたいに、ひょろひょろで儚いので、砂に埋もれたり、ひっくり返っていないか、とても心配だったのですが・・・、

緑色の美しい胞子となって、同じ場所に生えているのを見つけました。
とても嬉しかったです^^

胞子の粒々は、よく見ると、それぞれ大きさが違うようです。

不思議な形の生物だな、と思います。

くっついているヒドロ虫が増えているような気もしましたが・・・、

それもまた面白く、いろいろな撮り方を試してみたくなります。

ライトの当て方、ライトの種類、色々試行錯誤中です。
また撮りに行きたいです^^

 

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