初めてダイビングをした日のこと。

瀬戸内海ー。故郷の海—。

普段、釣りで釣れる、

普通の魚たち。

だけど、

群れの成し方も、泳ぎ方も、

佇み方さえ それぞれ違う。

 

たぶん、魚ごとに、考えてることが違うのね・・・。

 

潜ってみるまで

そんな当たり前のこと知らなくて、

だから、ほんとうに些細なこと

ひとつひとつに、

感動する。

 

温帯の柔らかい色の地味な魚は、

熱帯の魚のような 派手さがないからこそ、

 

観察者はある意味惑わされずに、

表層の向こう側にある 命の輝きに、

直接アクセスできるのかもしれない。

 

だからたぶん、それが楽しい。

生まれ育った海の 海水浴で見える景色・・・

それが全てだと 思っていた。

 

だけど、

中層に浮かび

海底に沈み

目の高さを合わせてみて はじめて、

そこに もうひとつの空間が

あったことに気付く・・・。

それは、まるで宇宙のような

無重力の世界。

 

それが、思いのほか、

手の届く場所にあった。

そのことがとても、意外だった。

 

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