スズメダイの卵保護

2022/6/19 周防大島 水温17℃

俄に、海の中が夏めいてきました。
生物たちが活性化してきて、スズメダイは先日の大潮で、産卵していました。

卵保護をしている父親スズメダイは、卵のお世話で大忙しです。

新鮮な海水を、胸ビレを使って卵に当てたり、

口を使って、卵に付着しそうなゴミを取り除いたり・・・

綺麗な卵は、親スズメダイの、そんな努力の証なのかもしれません。

目が出てきたので、孵化まで、あと数日でしょうか。

ヒメギンポのオスも、綺麗な婚姻色を出して、活発に動き回っていました。

メスの周りをくるくる回って、求愛中のようです。

白化のアワサンゴは数が少なくなりつつあり、

もう少しで本来の色を取り戻しそうな、薄い緑色のアワサンゴを見ると、
水温が上がってきたんだなぁ、と感じられます。

マトウダイも、今年はお初でした。

ウミウシの卵も、そこら中に産みつけられています。

ヒラムシやウミウシたちは、
何だか皆んな、大きくなってきた・・・というか、丸々と肥えてきたなぁ、という印象です。


上を見つめる大きなカサゴも、たくさん見かけました。

久しぶりにマクロのカメラを持って、アワサンゴの森を潜りましたが、
とても気持ちの良い一日となりました^^

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The Story of Setouchi
YOU TUBE版
写真撮影のイメージ作りに、ぜひご活用くださいませ^^

👇アワサンゴ群生地 スライドショー(ワイド撮影)

👇アワサンゴとウミウシ スライドショー(マクロ撮影)

年に一回、5月に透明度が良くなる日。

2022/05/29 水温15℃

浮遊性のホヤの仲間、サルパが、腕に絡まるほど大量発生したのが、ちょうど先週。
その一週間後、ワイドを持って海に入りましたが、残念ながら(?)大量のサルパはいなくなっていました。

例年は、その一大イベントはたいてい5月のGWごろで、サルパが浮遊物を食べてくれるので、一時的に透明度が抜群に良くなります。

サルパ撮りたかったな・・・また来年の楽しみです。笑。

大量発生から一週間ですが、まだまだ、海は浮遊物が少なく綺麗で、透明度は良好です。

考え事をしながら写真を撮る私の周りを、コブダイが、ウロウロしています・・・笑。上に下に横に・・・ワイドのレンズを通して見ると遠くにいるように錯覚するのですが、実際は触れるような距離なので、時々、その目の美しさにびっくりします。

私はいつも、透明度が良い時の瀬戸内の底って、海というより、川っぽいな、と感じています。

黒潮があたる太平洋などの「青さ」というよりは、透明な「水」、という印象を受けるからかもしれません。

アワサンゴの緑色も、山や森みたいに見えて、あんまり、海を潜ったー!という感じではないんですよね。ここならではの、不思議な感覚です・・・。

実際、瀬戸内海は、中四国山脈から流れる川の水の影響を受けているそうで、
塩分濃度も他の海よりは低いので、川っぽい、山っぽい、というのは、あながち間違ったイメージではないのかもしれません。

水温は、底をついた3月から、次第に上がってきていますが、まだまだ褐虫藻に逃げられた、白っぽいアワサンゴも多く、寒いのだなぁ、という印象です。

産卵期が近いのか、オスのコブダイはパトロールが忙しそうで、フィンで蹴ってしまいそうな距離まで近づいてきます。

さて、今日は漁の網なども入っていたので、撮れるアングルがちょっと限られていて・・・笑。今時期のコブダイは、またリベンジしたいなぁ、と思います。

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↑アワサンゴ群生地(ワイド)

↑ゴマフビロードウミウシとアワサンゴ(マクロ)

ヒメイカのハッチアウト

2022/05/14  水温14℃
山口県周防大島

待ちに待った、ヒメイカの赤ちゃんの孵化です。

膨らませかけた紙風船のように儚くて、

でも、しっかりと意思を持って、海原へ旅立っていきます。

目が合う個体には、警戒されてしまい、ハッチアウトに立ち会えない・・・
ヒメイカあるあるです・・・。

また、来年が楽しみです。

戦艦陸奥

2022/5/7&8, 2022/3/12

山口県周防大島柱島沖

柱島沖に眠る、戦艦陸奥に潜りました。
ボトム40m、浅いところで、約12mなのですが、今回は、−12m〜−20m付近の写真をUPしています。

この日は、船体に着いたキサンゴが、とても綺麗に咲いていました。

巨大な鉄の塊は、年月を経て少しずつ崩れつつあり、

毎回のダイビングが、貴重な時間となっています。

数年前までは、ちゃんと窓の枠が四角かったのですが、今は下部分が崩れ落ちています。

視界が悪く、一定の距離しか見えないため、ダイビング中は、部分部分が、浮き上がって見えることもあります。

ヒメイカの赤ちゃん。

山口県周防大島 水温14℃

ヒメイカのハッチアウトのシーズンが、近づいてきました。
今日は、1匹だけでしたが、ハッチアウトを確認しました。

これから水温が1、2℃上がってくると、一気にピークが来るのかもしれないな、と思います。

とはいえ、まだまだハッチまでは長くかかるであろう、初期段階の透明な卵もあり・・・

目ができたばかりの、赤目の卵もたくさんあります。

この目が銀色になったら、ハッチアウトです。
もうしばらくですね。
楽しみな季節です。

しかし、大人のヒメイカたちは、ハッチアウトピークの頃には、
姿を消してしまいます。世代交代前の、最後の輝き・・・
ここぞとばかりにたくさん写真を撮りました。

表情があるので、ヒメイカを撮るのは面白いです。

帰り道では、一休み中のアナハゼの若魚や、

綺麗なエビに出会いました。

一期一会です^^

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ご覧くださいませ💕

春・・・アマモの花の光合成。

山口県上関(瀬戸内海)/水温12℃

底をついた水温が少しずつ上がり、春めいてきました。

私が待ち望んでいたアマモの花が、やっと咲きました!

水中で光合成をして、気泡を蓄えています。

花びらも、気泡も、キラキラしていてとても綺麗です。

太陽の向きと、手持ちのライトの角度によっては、
その気泡に、隣のアマモの姿が映り込みます。

それが、水晶玉みたいに、とても美しいのです・・・。

散った花びらは、海の中をゆっくりと、漂います。

この花びらを写真に撮らないと、
私の中で、その年の春は始まりません。笑。

今年も観察することができて、嬉しいです。

絡まり合って、落ちていく姿も素敵です。

アマモ場を散歩していると、
アマモに着陸したクラゲの仲間がいました。

ヒューンと、足を下ろして、休憩中のようです。

アナハゼの子供も挟まって一休みしていました。

アマモは浅い場所に生えるので、ついつい、長居して潜っていると、
色んな情景に出会うことができます。
春の楽しみの一つですね^^

春と言えば、実家のカイドウ(海棠)が今年も咲きました💕
私の、世界で一番好きな花です。

また今度、ブログか動画で取り上げることができたらなぁ、と、
思います。何度見ても、可愛いです・・・。笑。

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👇こちらは河津桜の写真集です💕
桜色が大好きな、わたしの趣味全開の動画です。
ぜひご覧になってくださいね💕

アミのお顔

2022/04/02  山口県周防大島、瀬戸内海 水温12℃

ヒメイカが海を賑わせる時期がやってくると、
春がやってきたなぁ、と思います。

1、2cmほどの小型のイカですが、とても目力があります。

この日は、ヒメハゼが巣穴から顔を出していたり、

鮮やかなウミウシがいたり・・・

小さな甲殻類、アミの大群もいました。

ピントを固定して、カメラを前後に動かすようにして、
アミの眼が一番綺麗に見える時に、シャッターを押します。

すると、ピントが合った写真になることが多いのですが、
ファインダーを覗いた状態で、アミの黒い眼に集中していると、一瞬胴体が消えたように見えることがあります。

???と思いつつも、シャッターを押すと、それは、アミの正面顔でした。

可愛いですよね。とりたてて、アミを写真に撮ろうと思ったことは今までなかったのですが、この正面顔が思った以上に可愛かったので、マイブームになりそうです。笑。

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YouTubeを更新しました💕
ゴマフビロードウミウシの散歩の様子の写真集です。ぜひご覧くださいませ^^

👇【ほっこり】ウミウシの一人旅/♪「星から降る金」より


ピンクのアイコンを押すと、チャンネルに飛びます。
動画の概要欄に説明を記載しています💕

アリモウミウシの交接/アワサンゴを好きなホウキムシ。

2022/02
Suo-Oshima, Yamaguchi-ken,

てくてくと歩いていくウミウシ・・・。

毛先(?)がオレンジ色でお洒落な、アリモウミウシです。

白と黒の顔が乳牛みたいで、かわいいなあ、と思います。笑。
3匹が重なりあっている場面に遭遇しました。

ウミウシは、歩いてきた道に撒くように分泌物を残し、自分の存在を仲間に知らせる、と聞いたことがあります。この広い海の中でちゃんと相手を見つけ出すことができて、すごいですよね。

雌雄同体の彼らは、体の右側部分に交接器があり、右側を合わせるようにして交接するそうです。

拡大してみると、顔の横(左のウミウシの右眼の横)あたりから、青白い線が伸びて、お互いに繋がっているのがわかります。

葉っぱをしっかりと口にくわえて、転げ落ちないようにしているのかな。

ウミウシがこんなふうに何匹か重なりあっている場面を、冬から春にかけて、時々見かけます。水温が下がったこの時期ならではの、光景です。

アワサンゴの方はというと、寒さで文字通り、縮み上がっています。ポリプの伸びた周りが白いハートになっている、かわいいアワサンゴも、首が小さくなっていました。

森の中の勢力図が変わり・・・、

アワサンゴの真ん中に、主役のようにケヤリが陣取っていたり、

元気な白いホウキムシが、弱ったアワサンゴの上に住み着いたりします。

水温が上がってくれば、アワサンゴが盛り返してきて、ホウキムシたちは退散していきますが、

まだしばらくは、この不思議な光景を見ることができます。

ホウキムシも、触手の中に、
次の命を蓄えているようです。

ホウキムシの子供は、巣立つとアクチノトロカ幼生となり浮遊生活を送るとのことですが・・・、

植物みたいに見えるけれど、れっきとした無脊椎動物なんですよね。口も肛門も、腸も血管もあるそうで、面白い生物だなぁ、と思います。

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<YouTube>
瀬戸内ダイビングをもっと盛り上げたい!という想いで、作成しました。 ▷再生ボタンを押して頂けると、とても嬉しいです✨ピアノは高校生以来・・・がんばって練習します^^

※ピンクのアイコンを押すと、チャンネルに飛びます。応援して頂けると、とても嬉しいです💕

L&B スキルアップ講習 etc.

2022/02/12  山口県周防大島

今日は、Love&Blueの二人の生徒さんが、
写真のモデルになってくれました。

まずは、一眼カメラ講習中の、Tamaki様。

私たちはたいてい、カメラをハウジング(防水ケース)に入れて、二つのストロボ(発光装置)を装備して水中撮影を行います。撮影内容によっては、ストロボや手持ちのライトの数を、増やしたり減らしたりもします。

カメラ機材が大きくても、水中でほとんど支障はありません。フロート(浮き)を付けているため、カメラは指一本で支えられるのです^^

ただし、自分自身が中性浮力を取れていないと撮影どころではないので、

自ずと中性浮力やフィンワーク(足捌き)を練習するようになり、カメラを始めると、カメラもスキルも上手くなり、一石二鳥だと私は思っています。笑。

特に、後ろに進む(バックする)フィンワークのスキルを身につけると、水中における動作の幅が格段に広がり、水中世界の自由度が何倍も広がるんですよね^^

こちらは、ダイブマスターという、プロになるためのコースを受講中のJJ様。水中地図を作ったり、生物をゲスト様に紹介する方法を覚えたり、スキルを磨いたり、とても面白くやりがいのあるコースです。

いくらやっても足りないと思うほどには、ダイブマスターコースは、とても貴重で重要なトレーニング期間だと私は思っています。
しっかり楽しんで、頑張ってくださいね!

ドライスーツのエアの抜き方、ばっちりですね♪
浅い水深では、吹き上げ(急浮上)を防ぐため、浮いてしまうことを事前に予測して、早めにエアを抜いて対策します。着底し立った姿勢でエアを抜くと、足に溜まった抜けにくい空気も、左腕の排気バルブからちゃんと抜けてくれます。

それと同時に、息を吐いて、肺の体積を小さくすることも大切です。
人間の肺は、大きな浮き袋なので、浮きたくない時には、しっかりと息を吐いて対応することが大切になってきます。

私は生徒さんと過ごす時間が好きですが、教えることと同じくらい、
人がどんどん上手くなっていくのを側で見ることも、好きなんだよなぁ・・・、と、お二人の写真を撮りながら、改めて思いました。

Tamaki様、JJ様、ありがとうございました!

さて、アワサンゴの緑がとても綺麗な時期がやってきました。
皆様のお越しをお待ちしております♪

 

 

 

ニホンアワサンゴの冬の森 /ワイド

山口県周防大島
水温12〜13℃

冬の、風が強く少し時化ているような日は、
海の中のニホンアワサンゴがダンスをするように、ポリプをうねらせます。

私は、そんなアワサンゴのユニークな姿が好きです。

景色全体で揺れ動く姿が、一つの表情のように感じられます。

一体、どこからどこまでが、個として区別できるのだろうかと、

非現実的な疑問が浮かぶのは、
海全体が、まるで一つの意識であるかのように、
皆、波に揺られて、

静止して、また揺られて、止まって、

そのうち、自分の思考も、静まってゆくからです。

海水越しの、太陽の光と、アワサンゴの緑は、

優しくて、美しくて、

陸から続く地面の崖沿いに、咲いている花のようで・・・

不思議な森の光景を眺めていると、
海の中であることを、忘れてしまいそうになります。笑

 

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