ヒメイカの産卵を探して・・・

2021/4/24&25 周防大島 水温15度

いつものビーチ・・・。
今日は天気が良くて、
浮遊しているアマモの花びらが、光を反射して
とても綺麗でした。

ヒメイカの捕食も久しぶりに観察できました。
哀れなワレカラが、くしゃくしゃになって
捕まっています。

がっちりと掴んで、離しません。

次に捕まっているのは、甲殻類でしょうか。
ヒメイカはその獰猛な足で、獲物を取り込み、折り曲げ、
体液を吸い尽くすのだそうです。

今度も大きなワレカラなのか、よくわかりませんが、
捕まった獲物が、アマモに爪を引っ掛けて、
抵抗しています。

そして、目くじらを立てて探している時より、
他のことで遊びながら散策していると見つかるのが・・・
ヒメイカの産卵です。笑。

生まれたての透明な卵が、瑞々しく・・・、

卵の周りの粘液のようなものも、
絞り出し、千切るようにして、アマモに
植えつけているように見えます。

色々な足の動きがあります。

この個体は、アマモの幅が太かったからか、
卵を3列にして産んでいました。

いつも見ているよりは、卵がちょっと雑に配列されていて、
ヒメイカも一匹一匹性格があるのかな。

今日は、気持ち良さそうなオスのヒメイカもいました。
1センチくらいの個体で、綺麗に色が出ていました。

潜りやすい水温になってきましたね。

ヒメイカの産卵/アマモの花びら

2021/04/18  周防大島 水温14度

北西の風が強い日でした。
ヒメイカの産卵を探してエントリーすると、

アマモの花びらが、ひらり。

綺麗だなぁ、と思います。

この日は中々ヒメイカのメスに出会えず、
半ば諦めて、かっこいいエビを撮ったりしていると、

その50センチほど向こうに・・・

産卵中のヒメイカがいて・・・、

慌ててカメラのセッティングをするのですが、
手が凍えていて、思うように動かせないのでした。

ひとつぶ ひとつぶ、
とてもゆっくり産んでいくので、
本当は、あまり焦る必要はないのですけどね。

ヒメイカの産卵

2021/4/11 周防大島 水温14度

ヒメイカの産卵の時期がやってきました。

アマモに卵をくっつけるようにして、
器用に産んでいきます。

しかし、簡単に卵が出て来る、という感じではなく、
絞り出すような印象です。

どのヒメイカも、ひとつひとつ、
整然と、綺麗に卵を並べていきます。

そんな様子を見ていると、
なぜ、生まれながらにその方法を知っているのだろう、
と、不思議な気持ちになります。

産み付ける前に、アマモを掃除するような、
可愛らしい動作もあります。

足をアマモに絡み付けて、ゆっくりと20分くらいかけて、
全ての卵を産み終わりました。

産まれたての卵は、
つやつやと輝いていて、とても綺麗です。

 

 

アカテガニの放仔行動 / 2020夏

八月の大潮の夜ー。

月明かりが水面を照らす中、

私は、カニと月見をしていました。

サルカニ合戦のカニのモデルとも言われている、
アカテガニです。

彼らは、夏の夜の大潮まわりで、
卵を海に向かって孵化させるのだそうです。

メスのカニです。
お腹に大きな灰色の卵塊を蓄えています。

日暮れと共に山から海に降りてきたアカテガニは、
流木などの陰に、息を潜めるようにして隠れています。

さらにその後、日没から1時間〜2時間くらいの間がピークでしょうか、

一匹一匹、浜から波打ち際へと・・・、

まるで意を決した戦車のように、
走り抜けてゆきます。

そして、海の中に入ると、勢いよくお腹を振動させて、
放仔します。

ゾエア幼生の放出です。

この一連の動きに付随して、水面には綺麗な波紋が生じます。

片手のカニも、一生懸命バランスを取っています。

空を仰ぐように放仔する個体もいます。

しかし波は大小あるため、
せっかくスタンバイしても波がお腹まで来なかったり、

逆に大波が来て足を掬われたり、苦労しているようです。

中には波に攫われて、

力尽き、

陸に上がって来られなくなったカニも
いたようでした。

彼らはライトの光を嫌い、警戒心も強いです。

絶対に渡すもんか、とばかりに、
しっかりと卵を抱え込んでいます。

真夏の夜の砂浜・・・

小さなお母さんガニの、命がけの行動です。

「決死の覚悟」というものを、
見た気分になりました。

プラヌラ幼生の旅立ち

2020/10/3  レモンの森

アワサンゴの株の中、プラヌラ幼生を探していると・・・

ポリプの真ん中に、白い卵のような幼生を見つけました。

しばらく観察していると、
むにゅっと少し、出てきました。

そして、ポロン・・・と。

この幼生は、あまり外に出たくなかったのでしょうか。
しばらくポリプの周りに寄りかかったまま、

なかなかそこから離れていきませんでした。

程なくして、今度は近くのポリプから、
また別のプラヌラ幼生が、顔を出しました。

真珠のように綺麗な姿でした。

この幼生は、勢いよくピュッと旅立ち、

やがて、視界から消えていきました。

幼生は、アワサンゴの中を、ふわり、ふわりと
移動していて、ただの種のような形なのに、
生き物なんだなぁ、と感じさせられます。

ホソエガサ

絶滅危惧種のホソエガサ。

ひっそりと、瀬戸内の砂泥に植わっています。

人魚のワイングラスという別称で、
ダイバーには人気があります。

緑のベネチアングラスみたいに、艶(つや)が綺麗です。

少し成長すると、緑の艶は、つぶつぶのマスカットのように
細分化されて、胞子となります。

枯れかけたホソエガサも、風情があります。

スズメダイの卵保護

2020/9/20 レモンの森

婚姻色のスズメダイ。
綺麗な紫と黄色です。

新鮮な水を卵に吹きかけて、
お世話をしています。

胸ビレと卵。
ヒレを使うことでも、
卵を清潔に保っているようです。

スズメダイの動きは結構早いので、
カメラに虹色のように映ることもあります。

元気に育ちますように!

プラヌラ幼生とニホンアワサンゴ

2020/09/05  レモンの森 水温23度

マリーゴールドの株のような、ニホンアワサンゴ。
こんな風に色付くのは、今の季節だけです。

イエローの粒々の正体は、アワサンゴの赤ちゃん、
プラヌラ幼生。

少しずつ、つぶが揃ってきています。

瀬戸内の、レモンの森の秋は、
とても、華やかです。

ナベカの卵保護、ハッチアウト、求愛。

2020/07/30 上関の浅瀬。水温28度

雨が続き水温が上がらないなぁと思っていたら、
連日のお天気で、一気に上昇しました。

ナベカの卵保護を観察できるのも、
そろそろ終盤となり、次の季節へ。

大きくなった稚魚達が、
…と言っても1.5センチくらいですが、
浅瀬を賑わせています。

向こうを向いている風に見せて、
実は私の方を、ちゃんと警戒しています。

孵化したての赤ちゃんは、0.5センチにも満たないくらい
小さいです。

一体どれほどが、
大きくなって、
次の命を育むことができるように、
なるのでしょう。

小指ほどの成体のナベカですが、
稚魚の頃の大きさを思うと、
よく大きくなったなぁ!と、思います。

求愛行動は、オスの必死さも可愛いのですが、
メスの潤んだ瞳も、可愛いです。

ナベカの放仔

2020/07/19 上関 水温24度

夜明け前に出発し、朝日の昇る頃ビーチに着くと・・・
海の中では、ナベカのハッチアウトが始まっています。

口に含んだ仔魚を、勢いよく吐き出して、
巣立ちさせていきます。

周囲に天敵がいないか見渡して、
大きく体を巣穴から伸び上がらせて・・・

遠くへ向かい、とても力強く放出します。
油断していると、仔魚は、カメラの画角の外へ・・・。
水面へ向かって泳いでいく仔魚を追ってみました。

頭が大きくて、可愛いです。

産まれた卵を守り、放出するのはオスの役目です。

とても鋭い牙ですね。

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