血鯛

1/27 レモンの森 ナイトダイビング。水温11度。

最近とても気になっているのが、

チダイです。

背びれ、腹びれ、尾びれと、それぞれの微細な色合いが美しく、

目の上には、ブルーの垂れ下がった、アイラインがあります。

そのせいで、眉尻が下がったような

優しそうな顔つきに見えるのですが、

えらぶたのフチがギザギザと赤く、

「血」鯛と呼ばれる由縁となっている。

その対比がなんとも、不均衡で、

なんとも美しく感じられ、

傍を通ると、見入ってしまいます。

キヌバリの幼魚。

12月28日 レモンの森

レモンの森の浅瀬が、キヌバリの幼魚で賑わっています。

お腹の向こう側の景色が透けて見えるほど、透明な体。

キヌバリの特徴である、黒のラインが目立ちます。

この時期、キヌバリの幼魚は群れで生活しているようですが、

一定の距離を保ちつつ逃げて行くので、なかなか近づけません。

この時は、20匹ほど群れていましたが、

私がカメラを向けると、スイ~スイ~と、微妙に遠のいて行ってしまうのでした・・・。

あれ。群れの中に、頭が黄緑色の幼魚・・・。

裸眼で見た時、私は最初、別の魚がキヌバリの群れに混じっているのだと思っていました。

しかし、家に帰って写真を拡大してみると、黒い縦線がちゃんと見えます。

↑そしてこちらの個体は、黒のラインが大分出ています。

こんな風に少しずつ、色づいていくのですね。

この子達も、キヌバリの幼魚だったとは。

こちらは、「金魚のしっぽ」で同時期に撮影した、

もう少し成長した キヌバリの若魚です。

同じ周防大島でも、産卵や孵化の時期が、少し、違うようです。

子持ちのメバル。

12月27日 金魚のしっぽ

岩陰に、お腹をパンパンに膨らませた、子持ちのメバル。

昼間、そろって、斜め上を向いて佇んでいる、

メバルの群れを、よく見かけます。

なぜメバルは、斜め上を向くんだろう・・・。

少し、不思議な光景です。

この子持ちのメバルも斜め上を向いていますが、

膨れ上がったお腹が、重たげです。

極小のアワサンゴ

12/26 レモンの森。

ミリ単位の極小のアワサンゴが今、

レモンの森の至るところに生えています。

成長したアワサンゴの冴え々々とした緑色とは違い、

まだ若い小さなアワサンゴは、

茶色の苔のような、くすんだ色をしています。

見ようと思って意識していないと、通り過ぎてしまうくらい、

小さくて、地味なのです。

ですが、目を凝らしてよく見ると、

そこらじゅうに、たくさんいます!

極小のアワサンゴは、質感がとても、ふっくらとしています。

そのことに気付くと、

ひとつひとつ 表情が違って見えてきて…

観察していると、

あっという間に 時間が過ぎてしまいます。

 

金色のヒレと卵保護。

12/3  金魚のしっぽ

黄金色のヒレ・・・。

アイナメの婚姻色です。50㎝はありそうな、大きなアイナメの父親です。

アイナメは警戒心が強いイメージがありますが、

この父親は、カメラにも動じず、威嚇してくるほどです。

ステージの異なる、いくつもの卵塊を守っていました。

ひと岩を埋め尽くすほどの量の卵塊を、

私は、初めて見ました。

産まれたばかりの卵でしょうか。

艶々としていて、宝石のブルートパーズのようでした。

こけぎんぽ天国。

レモンの森は、実は、コケギンポ天国です。

崖一帯にアワサンゴの絨毯が広がる中、

小さな岩穴に、たくさんコケギンポがいます。

↑ このコケギンポは、水深13mのボトムより少し上・・・

巣穴から見下ろすと、眼下にふっくらとしたアワサンゴの花畑が

見渡せる場所に、住んでいます。

↑ 一方、オレンジが鮮やかなこの子は、

立派なアワサンゴの塀にぐるりと囲まれた、高台の平地に。

まだ小指ほどの大きさでかなり小さく、若い子です。

↑ 最後に、垂れ下がったアワサンゴの下、

隠れるように住んでいるこの子について。

私が知っているだけでも2年以上ずっと、ここに居ます。

普段は、長いアワサンゴが、カーテンのように厚く上から覆いかぶさり、

正面から巣穴の入り口は見えません。

しかし、潮流が強い日などは、カーテンが右へ左へ流され、

上に捲れあがってしまい、巣穴が露わになってしまうことが、あります。

すると、驚いた顔をするんですね。笑。

どの子も、可愛いですよ。

マダコのハッチアウト

ある台風の日の海の中・・・。

ガラガラと石が砕け散る音がうるさい波打ち際を離れ、

水深8メートルの海底に着くと、

・・・とても、静かでした。

 

身体を少し、左右に持っていかれるような

うねりだけがありました。

 

蛸壺の中で、タコが握りしめるように抱きかかえていたのは・・・

 

・・・卵。

ムスカリの花束を逆さにしたような、白い房々。

ハッチアウトが終わった房は、糸束のようになっています。

タコの親は、大事そうに、卵の房を撫でていました。

それはとても、丁寧なしぐさでした。

奥から手前へと、房をいざなうように足を動かし、

漏斗(ろうと)と呼ばれる口のような器官を

収縮させたり、広げたりして、

水流を作っています。

ついに、ハッチアウト。

パラパラパラと、

卵が孵っていく・・・。

 

私はなんとなく、

このタコのことが、忘れられませんでした。

 

タコの親は、ほとんど食べずに卵を守り、

孵化を見届けると死んでしまう、という話を聞いたことがあります。

 

その後しばらくして、

このタコは蛸壺からいなくなったので、

生きたのか 死んだのか・・・

見届けることは できませんでした。

赤眼のシャコ

2017/10/28 伊崎

白いウェディングドレスを纏ったような・・・、

赤目のシャコです。

ルビーのような瞳をしています。

体は硝子細工のようでした。

 

一つ一つの細胞が、

集められたビーズのように、

夜の海でキラキラと輝き、

まるで、宝石箱のようでした。

 

NIGHT DIVING -浮遊系- シタビラメの仲間の稚魚

2018/10/15  伊崎

出た!

シタビラメの仲間の稚魚・・・!!

さすがヒラメ、とても薄いです。

ぴろぴろぴろ~ ぴろぴろぴろ~

と、音が聞こえてきそうな感じ。

右へ左へと、泳いでいきます。

まだ子供なので、

体の両側にちゃんと片目ずつ、あるんですね。

大人になると、(地面に着底する生活を送るようになると)、

両目が体の片側に、移動するんでしょうか・・・。

 

私には腕のように見えてしまうのですが、

胸のあたりから下に飛び出ているものは、

「腸」だそうです。

稚魚の間は、このように脱腸し、

少しでも多くの食べ物を取り込むそうです。

 

腸のなかの黄色の粒々は、もしかして、

食べかすなのでしょうか・・・。

それさえも、ライトの光を受けて黄色く輝き、

とても、綺麗でした。

NIGHT DIVING -浮遊系-

2017/10/13-15 伊崎

ヨウジウオの仲間の稚魚。

4㎝ほど。

成魚とは違い透明で、

体のところどころ、

まるで金箔が散らされたような色合いです。

黄金の鎧をまとっているようでした。

太刀魚の稚魚。

メタリックなピンクが綺麗です。1cmほど。

クーマ。

甲殻類の一種のようです。

そして、出ました!

瀬戸内初顔見せの、

ダルマガレイの仲間の稚魚。

ペロンペロンに薄くて、

とっても! キュートでした。

 

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