歩くプラヌラ幼生、アワサンゴの赤ちゃん。

2023/09/30 山口県周防大島 地家室海域公園 水温23℃

アワサンゴから放出されたプラヌラ幼生は、着底場所を探して海の中を彷徨います。

ころんと、海底に転がったプラヌラ幼生は、写真を撮っているうちに、動いていくことがあります。

こんなふうに、そろり、そろりと・・・

嘘でしょ!笑、と海の中で笑いそうになりました。
昨年からずっと疑問で、でも、気のせいだと思っていたのです。しかし、やっぱり気になって、アワサンゴを飼育しているなぎさ水族館さんに伺ってみると、「繊毛が生えているから、自力で動くよ!」と教えて下さりました。・・・なるほど!!
昔、学校の理科で、ゾウリムシの繊毛とか、ミドリムシの鞭毛とか習ったな、あれが生えてるから動けるんだね〜!と感動しました。笑。

結構、伸縮しながら動いていくように思います。

プラヌラ幼生は種のような形で、手も足も見えないけれど・・・、
ちゃんと動いて、自分のお気に入りの場所を見つけることができるって凄いですね。
お尻をぴっとりとくっつけて、着底を完了させるようです。

成長が進むと、おまんじゅうのような形になります。

十二本のポリプが分かれて育っていき、大人のアワサンゴの形に近づいていきます。

アワサンゴの基底である白い骨格も、とても薄いのですが、すでにこの段階で観察することができます。

アワサンゴの中に散らばっている茶色の色素は、褐虫藻と呼ばれる藻類です。アワサンゴにとってなくてはならない共生相手は、赤ちゃんの時から、ずっと一緒なんですね。

ひと目盛りが0.5ミリの定規を当ててみると、とっても小さいことが分かります。ポリプが開いて1ミリほどの大きさでしょうか。
本当に可愛らしくて興味深い生き物です。

プラヌラを放出すると、弱って死んでいく大人のアワサンゴも多数います。

しかし、その死骸の上にも、着底したプラヌラ幼生が、新たなアワサンゴとして育っています。

これからも、その成長を見守っていきたいな、と思います^^

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山口県周防大島、
地家室海域ニホンアワサンゴ群生地スライドショーです💕

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スズメダイの卵保護

2023/07/04 水温18℃ 地下室海域公園/レモンの森

日が長くなるこの時期は、スズメダイの産卵の季節です。

赤い卵や黄色い卵はとても綺麗です。

新鮮な水を卵に送るため、スズメダイの親は忙しそうにヒレを動かします。

口を使って、卵の汚れを取り除いたりもします。

普通種のスズメダイですが、美しいなぁと思います。

ジョーフィッシュも活発に捕食活動をしています。

とはいえ、一瞬で巣穴に戻ってしまうので、
なかなか撮影は、ままなりません。笑。

浅瀬には珍しく、コブダイがいたり、

この時期ならではの、マトウダイにも出会いました。

初夏から盛夏にかけて、アワサンゴの森では、
白化しかけた個体や、

イタボヤに侵食されている個体など、自然ならではのアワサンゴの姿を観察することができます。

みなさま、ぜひ遊びにきてくださいね^^

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山口県周防大島、
地家室海域ニホンアワサンゴ群生地スライドショー💕

ぼちぼちワイドの季節?

2022/12/18 山口県周防大島 水温16℃

ぼちぼち、ワイドの季節がやってきました!!
気持ち良い海です!

これから、アワサンゴの緑が鮮やかになり、
水も、透明度が増す時期がやってきます。

とはいえ、今日は少し、霞がかかったような、もやもや白っぽい海水ではあったのです・・・。

しかし、360度、アワサンゴの森はぐるりと岩壁を囲んでいますので・・・、

太陽光の角度によっては、多少はスッキリした写真になることもあります。浮遊物をできるだけ映さないような、瀬戸内仕様のカメラの設定を色々と試行錯誤しているところです。

カメラで遊んでいると、コブダイも、目をキョロキョロさせながら、寄ってきます。かまうと、そっぽを向くこともありますが、こちらが かまわないでいると、向こうからちょっかいを出してきます。私がそう感じているだけかもしれないけれど・・・至福の時間です。笑。

カエルアンコウも、今年は例年より多いかもしれません。
とってもとっても、可愛いです。
これからの冬が、楽しみです。

崖の谷間に挟まるようにじっとしていて、微動だにしませんでした。笑。

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死滅回遊魚のソラスズメダイも、まだ元気ですよ!

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✨瀬戸内アワサンゴの森✨
彩が作成したスライドショー。
ピアノ頑張って弾いてます。笑


↑アワサンゴと時々コブダイ ワイド撮影✨

↑ゴマフビロードウミウシとアワサンゴ マクロ撮影✨

ゴマフビロードウミウシも、最近よく見かけます💕
ぜひご覧くださいませ〜。

 

周防大島、夏の海。

2022/07/02 山口県周防大島 水温18℃

生物が活性化してきて、夏らしい海になってきました。

海藻をもぐもぐと食べている、
クロヘリアメフラシに出会いました。

ウミウシやアメフラシは、目がとてもキュートです。

波に揉まれて、体が倒れそうになっても、もぐもぐ・・・

随分と長い間、食事をしていました。

喧嘩中のハオコゼの雄たち。睨み合って勝ったのはどっち・・・?

右のハオコゼを追い払い、ふーふーと頬を膨らませて、クールダウン中。今回の勝者は、左側の雄でした。

身重の雌のハオコゼもいました。
パンパンのお腹は、卵が透けて見えそうなほど膨れ上がっています。物憂げな表情が美しかったです。

チャガラは、なんだか痩せ細った個体が多かったですが、
腹びれが青く、綺麗です。

ホンベラの雄も鮮やかさを増してきて、縄張り争いに精を出していました。

アワサンゴはイタボヤに侵食されている個体がいくつかありました。

今の時期、時々見かけることがあります。

アメフラシの卵も、アワサンゴの周りなど、至る所に産み付けられています。

可愛いシラユキウミウシや・・・

いつも通りの、上を向いたメバル。

夏の風物詩、スズメダイの卵は孵化間近です。

卵保護をするスズメダイの雄は、親も子も、目がとても綺麗で、
何枚も撮ってしまいます。




透明度の下がる、瀬戸内の夏の海ですが、
生物の観察が、一番楽しい季節だと思います!

年に一回、5月に透明度が良くなる日。

2022/05/29 水温15℃

浮遊性のホヤの仲間、サルパが、腕に絡まるほど大量発生したのが、ちょうど先週。
その一週間後、ワイドを持って海に入りましたが、残念ながら(?)大量のサルパはいなくなっていました。

例年は、その一大イベントはたいてい5月のGWごろで、サルパが浮遊物を食べてくれるので、一時的に透明度が抜群に良くなります。

サルパ撮りたかったな・・・また来年の楽しみです。笑。

大量発生から一週間ですが、まだまだ、海は浮遊物が少なく綺麗で、透明度は良好です。

考え事をしながら写真を撮る私の周りを、コブダイが、ウロウロしています・・・笑。上に下に横に・・・ワイドのレンズを通して見ると遠くにいるように錯覚するのですが、実際は触れるような距離なので、時々、その目の美しさにびっくりします。

私はいつも、透明度が良い時の瀬戸内の底って、海というより、川っぽいな、と感じています。

黒潮があたる太平洋などの「青さ」というよりは、透明な「水」、という印象を受けるからかもしれません。

アワサンゴの緑色も、山や森みたいに見えて、あんまり、海を潜ったー!という感じではないんですよね。ここならではの、不思議な感覚です・・・。

実際、瀬戸内海は、中四国山脈から流れる川の水の影響を受けているそうで、
塩分濃度も他の海よりは低いので、川っぽい、山っぽい、というのは、あながち間違ったイメージではないのかもしれません。

水温は、底をついた3月から、次第に上がってきていますが、まだまだ褐虫藻に逃げられた、白っぽいアワサンゴも多く、寒いのだなぁ、という印象です。

産卵期が近いのか、オスのコブダイはパトロールが忙しそうで、フィンで蹴ってしまいそうな距離まで近づいてきます。

さて、今日は漁の網なども入っていたので、撮れるアングルがちょっと限られていて・・・笑。今時期のコブダイは、またリベンジしたいなぁ、と思います。

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The Story of SetouchiのYOU TUBE版はこちらです💕


↑アワサンゴ群生地(ワイド)

↑ゴマフビロードウミウシとアワサンゴ(マクロ)

アリモウミウシの交接/アワサンゴを好きなホウキムシ。

2022/02
Suo-Oshima, Yamaguchi-ken,

てくてくと歩いていくウミウシ・・・。

毛先(?)がオレンジ色でお洒落な、アリモウミウシです。

白と黒の顔が乳牛みたいで、かわいいなあ、と思います。笑。
3匹が重なりあっている場面に遭遇しました。

ウミウシは、歩いてきた道に撒くように分泌物を残し、自分の存在を仲間に知らせる、と聞いたことがあります。この広い海の中でちゃんと相手を見つけ出すことができて、すごいですよね。

雌雄同体の彼らは、体の右側部分に交接器があり、右側を合わせるようにして交接するそうです。

拡大してみると、顔の横(左のウミウシの右眼の横)あたりから、青白い線が伸びて、お互いに繋がっているのがわかります。

葉っぱをしっかりと口にくわえて、転げ落ちないようにしているのかな。

ウミウシがこんなふうに何匹か重なりあっている場面を、冬から春にかけて、時々見かけます。水温が下がったこの時期ならではの、光景です。

アワサンゴの方はというと、寒さで文字通り、縮み上がっています。ポリプの伸びた周りが白いハートになっている、かわいいアワサンゴも、首が小さくなっていました。

森の中の勢力図が変わり・・・、

アワサンゴの真ん中に、主役のようにケヤリが陣取っていたり、

元気な白いホウキムシが、弱ったアワサンゴの上に住み着いたりします。

水温が上がってくれば、アワサンゴが盛り返してきて、ホウキムシたちは退散していきますが、

まだしばらくは、この不思議な光景を見ることができます。

ホウキムシも、触手の中に、
次の命を蓄えているようです。

ホウキムシの子供は、巣立つとアクチノトロカ幼生となり浮遊生活を送るとのことですが・・・、

植物みたいに見えるけれど、れっきとした無脊椎動物なんですよね。口も肛門も、腸も血管もあるそうで、面白い生物だなぁ、と思います。

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<YouTube>
瀬戸内ダイビングをもっと盛り上げたい!という想いで、作成しました。 ▷再生ボタンを押して頂けると、とても嬉しいです✨ピアノは高校生以来・・・がんばって練習します^^

※ピンクのアイコンを押すと、チャンネルに飛びます。応援して頂けると、とても嬉しいです💕

ニホンアワサンゴの冬の森 /ワイド

山口県周防大島
水温12〜13℃

冬の、風が強く少し時化ているような日は、
海の中のニホンアワサンゴがダンスをするように、ポリプをうねらせます。

私は、そんなアワサンゴのユニークな姿が好きです。

景色全体で揺れ動く姿が、一つの表情のように感じられます。

一体、どこからどこまでが、個として区別できるのだろうかと、

非現実的な疑問が浮かぶのは、
海全体が、まるで一つの意識であるかのように、
皆、波に揺られて、

静止して、また揺られて、止まって、

そのうち、自分の思考も、静まってゆくからです。

海水越しの、太陽の光と、アワサンゴの緑は、

優しくて、美しくて、

陸から続く地面の崖沿いに、咲いている花のようで・・・

不思議な森の光景を眺めていると、
海の中であることを、忘れてしまいそうになります。笑

 

今年着底したアワサンゴの赤ちゃん

周防大島 水温22℃

今年着底したアワサンゴが、どんどん大きくなっています。

着底してまだ間もない個体でしょうか。一つのポリプを咲かせ、洋服にくっついたボタンみたいに、ポチリ、と岩にくっついているように見えます。

死と再生を繰り返す、自然のサイクルを淡々と示すかのように、
大人のアワサンゴの骸の上にも、あらたな命が着底します。

もともとアワサンゴが根付いていた場所にまた根付くということは、そこが好ましい場所ということなのでしょうね。潮がよく当たる場所なのでしょうか。

ところ狭しと、早い者勝ちで良い場所が埋まっていきます。

大人と赤ちゃん、両方のアワサンゴを一つの画角で楽しめる、周防大島の秋です。

少しずつ、茎のように見える部分が長くなっていきます。

まだまだ、透明で、儚い感じがします。

どんどん伸びて、大きくなってほしいですね。

ポリプの中の、円を描く緑色が、可愛いです。

これからの成長が楽しみです。

プラヌラ幼生の放出!

2021/09/19  周防大島 水温23℃

今日は、過ぎ去った台風が大気を浄化したかのような、クリアな秋空でした。
この時期のニホンアワサンゴはプラヌラ幼生を宿し、黄土色に色づきます。

ぎっしりと茎の中に詰まっていますが・・・、

時が来れば、ひとつひとつ、ポリプの真ん中から巣立って行きます。

波に揉まれながら・・・

ポンっと斜めに飛び出して行く、プラヌラ幼生。

活性化している株のポリプの真ん中では、順番待ちしているプラヌラ幼生がいたり、

真珠のように、コロン、と転がり落ちる個体もいたりして、ずっと見ていると可愛らしく思えてくるので不思議です。

放出されたプラヌラ幼生は、海の中を漂い、やがて着底するそうです。

すくっと背筋を伸ばすことができるようになるまで、どのくらいかかるのかな・・・。

大きく成長することができても、弱って白化してしまう個体もいます。

広大な群生地なので、強いアワサンゴ、弱ったアワサンゴ、
様々な段階のアワサンゴが生きていて、それぞれに物語があります。

ぜひ、見に来て下さいね^^

アワサンゴのなかにホウキムシ

2018/03/10 レモンの森

水温が下がり、アワサンゴの活性が弱まると、

アワサンゴの骨格に、ホウキムシがくっついてしまうことがあります。

とても面白い光景です。

上から見ると・・・、

・・・・。

なぜ、わざわざアワサンゴの上に?
周囲の砂のようなものは、ホウキムシの排せつ物でしょうか?

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