浮遊系いろいろ

周防大島 水温22℃

夜の海でライトを焚くと、たくさんのプランクトン(浮遊する生物)が集まってきます。瀬戸内は特に、秋が浮遊系の旬なので、ナイトダイビングが楽しい時期です。

クラゲはライトを当てると綺麗に輝きます。

赤目のシャコの幼生。

とても動きが早いですが、たまに、思い出したように静止してくれる時があります。

エビ類の幼生、フィロゾーマ。

カニ類の赤ちゃん、ゾエア幼生。

ゾエア幼生が変態した後の、メガロパ幼生。

モエビ類の幼生。

魑魅魍魎たちの、真夜中のショーでした^^

秋の夜長の魑魅魍魎

周防大島 水温23℃

シタビラメの幼魚は、とても不思議な姿をした生物です。

大きさは2㎝くらいで、海の中を浮遊しています。

通称・シタビラメ、カレイ目ウシノシタ科のこの生物は、まだ幼魚のうちは、両目が体の側面に、ちゃんと一つずつあります。
ひらひら、ひらひら、右に左に不器用そうに泳ぐ姿が、可愛らしいです。

頭から伸びる伸長鰭条は本体の体よりも長くて、体の動きに合わせて、たてがみのように靡きます。

お腹から下に飛び出ているのは腸で、脱腸しているのは、たくさん食べるためでしょうか。

成魚とは似ても似つかない姿。
本当に、興味深い生物です。

ニジギンポの抱卵 etc.

2021/09/25&26  周防大島&上関 水温23℃

立秋が過ぎ、少し秋らしくなってきました。
午前の体験ダイビング中にニジギンポの抱卵を見つけました。小さな粒々の卵に、目ができているのが見えます。

こちらをじっと見て、様子を伺っています。

たくさんの、産み付けられた卵を守っています。

貝殻の奥まった場所にあり、しっかりと近づかないと見えません。素晴らしい隠れ家ですね。

側ではナベカも岩の周りを飛び回っていて、黄色のヒレがパタパタと靡いていました。

ナベカは仕草が可愛くて、大好きです。見つける度に、ついつい、シャッターを切ってしまいます。

翌日は、プラヌラ幼生が気になっていたので、1本目はレモンの森に行きました。だいぶ、数が少なくなっているようでした。

帰り道、可愛いシラユキウミウシに出会ったので、少し道草を食ってしまいました。アワサンゴの方まで歩いて行ってくれないかな、と思ったけれど、だめでした。笑。

2本目は移動して、アマモとオヨギイソギンチャクを撮りに上関で潜ったのですが、あいにくの強風で、たくさんの砂が舞い上がっていました。

なんとか写真に写りそうな場所は、上空くらい。笑。
本当は、もっともっと、イソギンチャクがアマモにくっついている面白い光景を撮りたかった。またリベンジしようと思います^^

プラヌラ幼生の放出!

2021/09/19  周防大島 水温23℃

今日は、過ぎ去った台風が大気を浄化したかのような、クリアな秋空でした。
この時期のニホンアワサンゴはプラヌラ幼生を宿し、黄土色に色づきます。

ぎっしりと茎の中に詰まっていますが・・・、

時が来れば、ひとつひとつ、ポリプの真ん中から巣立って行きます。

波に揉まれながら・・・

ポンっと斜めに飛び出して行く、プラヌラ幼生。

活性化している株のポリプの真ん中では、順番待ちしているプラヌラ幼生がいたり、

真珠のように、コロン、と転がり落ちる個体もいたりして、ずっと見ていると可愛らしく思えてくるので不思議です。

放出されたプラヌラ幼生は、海の中を漂い、やがて着底するそうです。

すくっと背筋を伸ばすことができるようになるまで、どのくらいかかるのかな・・・。

大きく成長することができても、弱って白化してしまう個体もいます。

広大な群生地なので、強いアワサンゴ、弱ったアワサンゴ、
様々な段階のアワサンゴが生きていて、それぞれに物語があります。

ぜひ、見に来て下さいね^^

マダラギンポの婚姻色

2021/08/21  周防大島 水温22℃

今から約6年前・・・。
妹に誘われて、家から一番近かったダイビングショップ、Love&Blueの門戸を叩いたのが、私のダイビング人生の始まりでした。

その時、お店の壁に飾ってあった水中写真の一つに、
婚姻色のマダラギンポがありました。

なんて可愛らしいんだろう!いつの日か、会ってみたい!!
ずっとそう思っていました。

今日、6年越しの夢が叶いました。

可愛い!

顎下のブルーとオレンジが、とても綺麗なんです。

(まあ、今日はあまり顎下を見せてもらえなかったんですけれどもね。でもいいんです。会えたから。)笑

初めてダイビングをした時、海の野生動物って、こんなに近づけるんだ!と、感動したものです。人間に寛容だなぁ・・・とも。

いつも海水浴で海面から見ていた見慣れた瀬戸内の普通種の生き物たちが、目線を合わせた途端、キラキラと輝いて見えました。

濃い色であろうが、薄い色であろうが、
絵の具では表せないような、その素敵な色や雰囲気は、一体何なんだろう、と不思議でした。

ガイドしてくれた小川さんが、「“命の色”だと思う」
と私に言いました。

私はその時、その言葉にすごく、納得しました。

だって、本当に、活き活きとして、綺麗でした。
そして、今も変わらず、そう思うんですよね。

6年間、変わらず ずっと私が大好きなテーマだなぁ、と(笑)。
「命の色」。

海に潜るのは、命が好きで、命を近くで感じたいからなんだなー、と。
海で夢が叶うたびに、再確認します。笑。

顎の下のブルーを見せてほしいのですが・・・

見たいのですが・・・笑

あ。一瞬見えた! 笑。

また、会いたいですよー。

玄関を改装するジョーフィッシュ

2021/07/16  周防大島 水温20℃

夏がやってきました。

早朝、大忙しのジョーフィッシュのオスです。

巣穴の周りに 花びらのように敷き詰めている貝殻や石の
気に入らない部分を、器用に動かして改装しているようです。

左側の大きな瓦礫を口でくわえて・・・

よいしょ、と持ち上げ・・・

右側へ、投げる・・・。

まだ終わっていません。
巣穴の入り口のフチに、綺麗に添わせて微調整します。

次に、右後ろの小石を外側へ追いやります。

今度は、左手前の石を持ち上げ・・・

ほんの数ミリ向こう側へ押しやって・・・

この表情です。
彼的に、素敵な正面玄関ができあがったようです。

・・・と思ったら、まだ終わってなかった。笑。
さらに左側の、大きな礫をくわえて・・・

持ち上げて・・・

頭の上を通らせ・・・

右側へ投げる・・・。

巣のフチに添わせて位置どりを確認して・・・

よいしょ、よいしょ、と、微調整。

その後は、
捕食も盛んにしていました。

さらに近づいて、撮影してみました。
今、繁殖期のこの個体は、巣穴の奥で、卵保護をしています。

とても、綺麗な色をしていると、思いました。
巣穴の入り口は、これでちょうど良い大きさになったのかもしれませんね。

先ほどのオスの巣から、1メートルほど離れたところにある巣穴でも、
別のオスが、盛んに捕食をしていました。

俊敏な動作で巣穴から飛び出し、

一瞬で戻ります。

胸ビレまで巣穴から出して、辺りを窺うジョーフィッシュ。
メスを探しているのでしょうか。
魚たちが活性化する、楽しい時期がやってきました。

ヒメイカのハッチアウト

2021/5/16  周防大島 水温16℃

お昼時くらいが・・・、
ハッチアウトの多い時間帯なのでしょうか・・・。
1本目と2本目の間の休憩時にハッチアウトしてしまうことが多いです。笑。

というよりも、
とても小さな赤ちゃんですが、
タイミングを見計らいつつ、
こちらをよく観察しているのでしょうね。

私の方からよく見える卵はなかなかハッチアウトせず、
大抵、陰になっているところや、死角となっている場所から、
すーっと、ハッチアウトしていきます。

そんなところにも、いたんだね、
というような、視野の端で、
風船の小さな小さな破片が、ふわっと見えたかのように感じると、

ハッチだ、と、頭が理解した頃には、飛び立っていることも多いのです。

卵の頃は、小さく小さく丸まっているので、
海に漕ぎ出す時の姿は、少しだけ、大きく感じられます。
とても、可愛いです。

ヒメイカ赤ちゃんのギラギラの目

2021/05/14&15  周防大島 水温16度

ヒメイカの卵は、ハッチアウト寸前になると、
ギラギラした銀色の目になります。

裸眼で見ると、たいてい、
鉛玉が鈍く光るように見えますが、
角度によっては黒かったり、青かったり、赤紫だったりもします。

水温13度で生まれた定点観測の卵は33日目。ほとんどの卵が旅立っていました。
水温は、2、3日前から15度から16度に上がっており、
31日目〜34日目(ピークが32日目)でハッチしていったようです。

このヒメイカの赤ちゃんは、ほとんど体が卵から出ていて、
いつハッチするのかな、と、長い間、見ていましたが(可愛いでしょう?)、

多分、私を警戒していました。
くるりと時々体を回転させていましたが、
ハッチアウトしたのは、私がエキジットした後でした。

今回の観察を通して分かったことは、
まず、赤目の卵が、兎の眼のように真っ赤になり、銀色が混じってきたら、
次の日にはハッチアウトする可能性があるということ。
次に、ハッチアウトはピークがあるけれども、だいたい3日くらいで全ての卵がハッチアウトする、ということでしょうか。
水温15度(〜16度)で、32日目ピークのハッチアウト。
卵の目は、黒く見えても、角度によっては銀色なので、いろいろな方向からよく注意して見る必要があることも分かりました。

同じ体勢で長時間観察のため、
帰り道はストレッチしながら、出会った生物を激写しつつ戻ります。笑。

隠れているつもりの可愛いキヌバリ。

散っている、アマモの花びら。

そして、スジコウイカが多い日でした。

 

定点観測の卵

2021/05/10 周防大島

産卵から29日目のヒメイカの卵です。

真っ赤な目をした卵と、

銀色の目になりかけた卵が混在しています。

週末あたりがハッチアウトでしょうか。
ずっと見ていた卵がいなくなるのは、
なんだか寂しいなあ・・・。笑

ヒメイカの卵の中の目を探して・・・笑

2021/5/1 周防大島 水温15度

今日も、出会い頭、ついつい撮ってしまうのは・・・

どこにでもいるけれど、ハオコゼの目です。笑。
目の周りの模様が素敵です。

ダイビングを始めた頃は、その目をちゃんと見たことがありませんでした。

でも、こんな模様だったんだ、と、自分で撮った写真を見て初めて気づき、それが水中写真を始めるきっかけとなりました。釣りでいつも足蹴にされていた魚を、「取るに足らない生き物」と思うのは、私の目にかかっていた、ただのフィルターだったんですよね・・・。

さて、今日探していた本命の、ヒメイカの”卵”の中の目・・・ヒメイカの赤ちゃんの目も、私が面白いなぁと感じているものの一つです。とても小さいので、なかなか肉眼では見づらくて、これも、写真ならではの楽しみ方かもしれません。

上の写真は、4月11日の産卵の写真ですが、あのとき透明な球状だった卵が、20日後の今、どうなっているのか・・・定点観測です。

よく見ると、細胞分裂して、少し形ができているようです。

とても小さい、ヒメイカの赤ちゃんの目が見えます。
兎の眼のように赤くて、つぶらで、可愛いです。

横から撮って見ると・・・
ちょっと分かりにくかったかもしれません・・・。

まだまだこれから、体の模様が出てきて、足が分かれてきて、
赤かった目が、銀色になって・・・
ギラギラしてきたら、ハッチアウト。

銀色の目は、光を反射するので、もっと難しいです。

またリベンジしようと思います!

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