アリモウミウシの交接/アワサンゴを好きなホウキムシ。

2022/02
Suo-Oshima, Yamaguchi-ken,

てくてくと歩いていくウミウシ・・・。

毛先(?)がオレンジ色でお洒落な、アリモウミウシです。

白と黒の顔が乳牛みたいで、かわいいなあ、と思います。笑。
3匹が重なりあっている場面に遭遇しました。

ウミウシは、歩いてきた道に撒くように分泌物を残し、自分の存在を仲間に知らせる、と聞いたことがあります。この広い海の中でちゃんと相手を見つけ出すことができて、すごいですよね。

雌雄同体の彼らは、体の右側部分に交接器があり、右側を合わせるようにして交接するそうです。

拡大してみると、顔の横(左のウミウシの右眼の横)あたりから、青白い線が伸びて、お互いに繋がっているのがわかります。

葉っぱをしっかりと口にくわえて、転げ落ちないようにしているのかな。

ウミウシがこんなふうに何匹か重なりあっている場面を、冬から春にかけて、時々見かけます。水温が下がったこの時期ならではの、光景です。

アワサンゴの方はというと、寒さで文字通り、縮み上がっています。ポリプの伸びた周りが白いハートになっている、かわいいアワサンゴも、首が小さくなっていました。

森の中の勢力図が変わり・・・、

アワサンゴの真ん中に、主役のようにケヤリが陣取っていたり、

元気な白いホウキムシが、弱ったアワサンゴの上に住み着いたりします。

水温が上がってくれば、アワサンゴが盛り返してきて、ホウキムシたちは退散していきますが、

まだしばらくは、この不思議な光景を見ることができます。

ホウキムシも、触手の中に、
次の命を蓄えているようです。

ホウキムシの子供は、巣立つとアクチノトロカ幼生となり浮遊生活を送るとのことですが・・・、

植物みたいに見えるけれど、れっきとした無脊椎動物なんですよね。口も肛門も、腸も血管もあるそうで、面白い生物だなぁ、と思います。

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<YouTube>
瀬戸内ダイビングをもっと盛り上げたい!という想いで、作成しました。 ▷再生ボタンを押して頂けると、とても嬉しいです✨ピアノは高校生以来・・・がんばって練習します^^

※ピンクのアイコンを押すと、チャンネルに飛びます。応援して頂けると、とても嬉しいです💕

L&B スキルアップ講習 etc.

2022/02/12  山口県周防大島

今日は、Love&Blueの二人の生徒さんが、
写真のモデルになってくれました。

まずは、一眼カメラ講習中の、Tamaki様。

私たちはたいてい、カメラをハウジング(防水ケース)に入れて、二つのストロボ(発光装置)を装備して水中撮影を行います。撮影内容によっては、ストロボや手持ちのライトの数を、増やしたり減らしたりもします。

カメラ機材が大きくても、水中でほとんど支障はありません。フロート(浮き)を付けているため、カメラは指一本で支えられるのです^^

ただし、自分自身が中性浮力を取れていないと撮影どころではないので、

自ずと中性浮力やフィンワーク(足捌き)を練習するようになり、カメラを始めると、カメラもスキルも上手くなり、一石二鳥だと私は思っています。笑。

特に、後ろに進む(バックする)フィンワークのスキルを身につけると、水中における動作の幅が格段に広がり、水中世界の自由度が何倍も広がるんですよね^^

こちらは、ダイブマスターという、プロになるためのコースを受講中のJJ様。水中地図を作ったり、生物をゲスト様に紹介する方法を覚えたり、スキルを磨いたり、とても面白くやりがいのあるコースです。

いくらやっても足りないと思うほどには、ダイブマスターコースは、とても貴重で重要なトレーニング期間だと私は思っています。
しっかり楽しんで、頑張ってくださいね!

ドライスーツのエアの抜き方、ばっちりですね♪
浅い水深では、吹き上げ(急浮上)を防ぐため、浮いてしまうことを事前に予測して、早めにエアを抜いて対策します。着底し立った姿勢でエアを抜くと、足に溜まった抜けにくい空気も、左腕の排気バルブからちゃんと抜けてくれます。

それと同時に、息を吐いて、肺の体積を小さくすることも大切です。
人間の肺は、大きな浮き袋なので、浮きたくない時には、しっかりと息を吐いて対応することが大切になってきます。

私は生徒さんと過ごす時間が好きですが、教えることと同じくらい、
人がどんどん上手くなっていくのを側で見ることも、好きなんだよなぁ・・・、と、お二人の写真を撮りながら、改めて思いました。

Tamaki様、JJ様、ありがとうございました!

さて、アワサンゴの緑がとても綺麗な時期がやってきました。
皆様のお越しをお待ちしております♪

 

 

 

ニホンアワサンゴの冬の森 /ワイド

山口県周防大島
水温12〜13℃

冬の、風が強く少し時化ているような日は、
海の中のニホンアワサンゴがダンスをするように、ポリプをうねらせます。

私は、そんなアワサンゴのユニークな姿が好きです。

景色全体で揺れ動く姿が、一つの表情のように感じられます。

一体、どこからどこまでが、個として区別できるのだろうかと、

非現実的な疑問が浮かぶのは、
海全体が、まるで一つの意識であるかのように、
皆、波に揺られて、

静止して、また揺られて、止まって、

そのうち、自分の思考も、静まってゆくからです。

海水越しの、太陽の光と、アワサンゴの緑は、

優しくて、美しくて、

陸から続く地面の崖沿いに、咲いている花のようで・・・

不思議な森の光景を眺めていると、
海の中であることを、忘れてしまいそうになります。笑

 

ウミウシの散歩道〜ゴマフビロードウミウシ〜

可愛い!まるでウサギみたいなウミウシに、アワサンゴの森で出会いました。

ゴマフビロードウミウシです。

体の表面に、本当にゴマが、まぶされているみたいに見えます。笑。

このウミウシは、結構動くなあ、と思います。

伸び上がって・・・

海藻をぱくり。

もぐもぐもぐ・・・

口触手は、餌を食べるのに使ったり、他のウミウシが放出する化学物質を感知したりするのに使用するそうです。
海藻に何か美味しいものが付着していたのでしょうか。

あっちでもぐもぐ、、、

こっちでもぐもぐ、、、

触手を動かしながら、進んで行きます。

どっちに行こうかな?広大なアワサンゴの森の中です。
意図を持って道を選んでいるのでしょうか。

旅を続けるウミウシ。

もちろん、時には休憩も。
本当に、可愛い生き物ですよね・・・。

 

レモンの森のコブダイ

2022/01/02 レモンの森
水温14℃

潜り初めのレモンの森です。

アワサンゴの森の中で、何を撮ろうかなと考えていると、
一番最初に寄ってきてくれたのが・・・

大きなオスの、コブダイでした。

ぐるぐると、私の周りを周っています。
縄張りに入られたのが、気に入らないのでしょうか。

手を伸ばしたら、触れてしまうほどの距離です。

以前は、アワサンゴの森の、奥の方、沖の方の、岩陰に潜むように住んでいて、なかなか姿を現してくれませんでした。数年前の話です。

長年、追いかけないように、追いかけないように、していました。
今は、こちらが止まっていると、だんだんと、距離が縮まってきます。

そんな歴史のある、レモンの森のコブダイたちなので、
お腹を見せてくれると、私はとても嬉しくなります。

あ。犬じゃなかった・・・。笑。

皆さんがマクロ撮影をされていると、そのすぐ後ろを、
ウロウロ、ウロウロしています。

見上げると、アジの群れがいました。

小さなスズメダイもたくさん。

ワイドは本当に、難しいですね。
コブダイ は、ちゃんと光が当たると、本当は、もっと綺麗な色をしているのではないかと思います。
今日はその色が出ませんでした。

またリベンジしたいです^^

周防大島、秋の海

周防大島 水温21℃

浅瀬では、カマスの群れ。

そして、キヌバリの幼魚。

波打ち際のコケギンポ。

キュウセンは、幼魚が段々と大きくなってきました。

死滅回遊魚のキンチャクダイ、近年は大型化しているように感じます。
年々暖かくなってきているからでしょうか。南国調の魚がホンダワラの森に住んでいるというのは、不思議な感じがします。

シロウミウシと、今年産まれたアワサンゴの赤ちゃんたち。

今年の夏に産まれたジョーフィッシュ。

ジョーフィッシュを撮っていると何故か寄ってくる、ホシノハゼの若魚。

婚姻色の黒染めが綺麗なニシキハゼのオスと、ペアリングしているメス。

こちらを警戒するニシキハゼのペア。

この時期のオスの尾びれはとても綺麗です。

陸は霜月・・・
ですが海中はまだまだ暖かく、快適です。

今年産まれたジョーフィッシュ/捕食行動

頭の直径が、まだ数ミリほどの大きさ・・・今年の夏に産まれて着底した、まだ小さなジョーフィッシュです。8月下旬に撮った写真です。

あどけなさがまだ残っていて、その大きさ以外でも、顎の下など透明感があり、まだまだとても、若いのだなぁ、ということが分かります。

それでも、誰に教えてもらったわけでもないのに、ちゃんと小石や貝殻を敷き詰めて巣穴を作って生きるので、すごいな、と思います。

それからおよそ二ヶ月後、10月の下旬に、もう一度巣をお邪魔しました。

あまり大きさは変わってないかな?初めから、定規を持って海に入ればよかったな。

少し顔つきがはっきりとしてきたかもしれません。カメラに慣れてきたので、この日は捕食行動を観察しました。

ずっと見ていると気づくのですが、たった1秒の中でも絶え間なく、潮の流れに沿わせ、何度もキョロキョロと目玉を動かしています。
実はすごい緊張感が、彼らの周りに流れているのが分かります。

四六時中、目を上下左右に動かして、小さな海中の浮遊物を目で追いかけチェックし、頭上を流れる餌とゴミを、ひたすら確認しています。

時には顔を乗り出して、「あれは食べられる・・・?」とでもいう風に、じっと何かを、見つめていることもあります。
そんな時間を過ごす中、運よく食べ物に巡り会えた時は、一瞬です。

本当に、一瞬の出来事です。

20〜30分、時には小一時間に一回ほどの巡り合わせでしょうか。
まだ小さなジョーフィッシュにとって、逃すわけにはいかない、命がけの瞬間なのかもしれません。

飛び出したところでシャッターを切ったつもりなのに、
巣穴に戻る写真になっていたりします。本当に早いです。笑。

気を抜けば、喰われるのは自分・・・。

海の中で生きる生物たちの表情は、
可愛らしくも真剣で、豊かです。

笑顔のイソギンポ

周防大島 柱島沖 水温20℃

今日は、柱島沖の沈潜陸奥を潜ったのですが、陸奥の写真はありません(すみません)。今日はマクロレンズでエントリーした上に、私は陸奥のキール(竜骨)の
14メートルあたりをずっとウロウロしていました。その訳は・・・

わたしの大好きなイソギンポが、陸奥のキールで、可愛らしい表情をしているのを前日見て、どうしても撮りたくなったからです。・・・笑
本当に久しぶりにイソギンポに出会ったので、とても嬉しかったです。

生き生きとしていて、ぴゅっぴゅっと、陸奥の船体の穴の開いたところを行き来していました。まだ若いイソギンポでした。

キールのちょうど真上でも、ちょっと大きめの、別のイソギンポがこちらの様子を伺っていました。

ちょっとずつ顔を覗かせて、

やあ!

笑顔です。
戦艦陸奥は、潮流の早い場所に沈没しているため、
流れを好むイソギンポにとって、良い住処なのでしょう。

とても素早い動きで、表情もコロコロと変化します。

虹色の眼上皮弁がとても美しいです。
船体に開いた、程よい大きさの穴の中が隠れ家のようです。

そのほかには・・・、
メバルが眠たそうに、陸奥の側面にくっついて、ぼーっとしていました。寝ているのでしょうか?疲れたのでしょうか?可愛い。

キサンゴは、捕食中。

逆さに沈没し切断されている陸奥のキールの、一番先端では、
カサゴがくつろいでいました。

お気に入りの場所のようで、私が近寄りすぎて脅かしてしまった後も、
元の場所に戻っていました。一等、見晴らしの良い場所ですものね。

今日はイワシ漁で網を引いていたからか、透明度はあまり良くなかったですが、
次回はぜひ、ワイドレンズを持って入り、沈潜陸奥自身を撮りたいなぁ、と思います^^

今年着底したアワサンゴの赤ちゃん

周防大島 水温22℃

今年着底したアワサンゴが、どんどん大きくなっています。

着底してまだ間もない個体でしょうか。一つのポリプを咲かせ、洋服にくっついたボタンみたいに、ポチリ、と岩にくっついているように見えます。

死と再生を繰り返す、自然のサイクルを淡々と示すかのように、
大人のアワサンゴの骸の上にも、あらたな命が着底します。

もともとアワサンゴが根付いていた場所にまた根付くということは、そこが好ましい場所ということなのでしょうね。潮がよく当たる場所なのでしょうか。

ところ狭しと、早い者勝ちで良い場所が埋まっていきます。

大人と赤ちゃん、両方のアワサンゴを一つの画角で楽しめる、周防大島の秋です。

少しずつ、茎のように見える部分が長くなっていきます。

まだまだ、透明で、儚い感じがします。

どんどん伸びて、大きくなってほしいですね。

ポリプの中の、円を描く緑色が、可愛いです。

これからの成長が楽しみです。

サメハダヘイケガニの幼生

周防大島 水温22℃

夜のライトトラップでおなじみのゾエア幼生。

背棘の先端に、黄色の点状の色素があり、
サメハダヘイケガニのゾエア幼生と思われます。

カニとは似ても似つかない姿ですが・・・

このゾエア幼生が変態すると、次に、メガロパ幼生となります。

こちらが、サメハダヘイケガニのメガロパ幼生です。

足が長くて、ちょっと重たげに泳ぐので、泳ぎはあまり得意じゃないように思えます。5ミリくらいの大きさです。

着底する日が近いのかもしれませんね。

可愛いポージングをしてくれますので、
ちょっと水中で笑いそうになります。笑。

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