タツノオトシゴの出産

腫れあがって見えるほど、膨らんだお腹を、
ぐっ、ぐっ、と屈伸させ、

こぼれるように、赤ちゃんが産まれてきます。

小半時ほどの間、間隔を置きながら、
赤ちゃんが産まれ出るにしたがって、
少しずつ、痛々しいお腹がしぼんでいきました。

丑三つ時に差しかかる、真夜中の海で・・・。

ウミヒルモの花

真夏の海の中の、海中花。

近くに寄ると、花びらが綺麗な紫色であることに、気付きます。
ひっそりと咲いているため、見つけると、嬉しくなります。

波立つと、花びらが揺れる・・・。
来年も命を繋げて、またその姿を見せてほしいなと
思います。

ナベカの子。

2018/08/4 上関

穴から顔を覗かせる、1㎝ほどのナベカの子。

体に対して、目がくりくりと大きくて、

瞳の中のうるうるした輝きが、ファインダー越しに見え、

とても 可愛い。

個体ごとに性格が違って、穴の中から顔を覗かせる子や、

こちらの様子を、好奇心旺盛に伺う子もいたり、

ぼーっと 上空を見つめている子もいます。

小石と変わらないような大きさの、小さなナベカの子たちの目には、

海の中の景色は、どんなふうに映っているのでしょう。

掻き分けて進む、背の低い草むらの道、

小さくてもたった一人で、もう一人前なんですね。

ヘビギンポの求愛・産卵

2018/7/28 上関

ヘビギンポの産卵は、

一匹のオスに対し、2匹のメス、3匹のメスといった、

ハーレムとなっている光景をよく見かけます。

メスが体を震わせて、産卵を始めると、

オスが素早くメスの頭上を通り過ぎ、放精します。

真っ黒に化粧した、婚姻色のオスは、

まるで、絵巻物の中の光源氏のように

自信に満ちていて、

その空間を、支配しているように見えます。

実際に重なりあうのは一瞬の出来事で、

自在に海の中を飛び回る姿は、

航空ショーのようでした。

ナベカのハッチアウト・求愛

2018/7/23&8/5  上関

早朝、朝日が昇って間もなくの頃・・・。

せわしなく胸ビレを動かしていたナベカが、

巣穴の奥に入り、

次に出てきた瞬間。

プッ。

ナベカの口の中から、稚魚がハッチアウト。

稚魚の行く先を、

最後まで見つめる父親ナベカ。

前々日に卵を観察していた こちらのナベカも、

朝の5時、一匹だけ、ハッチしました。

ハッチの合間に、求愛、産卵なども観察でき、

この時期のナベカからは、目が離せません。

巣穴の奥に入ったメスに、

どんなことを語りかけているのでしょうか。

自然に生きる生物たちは、いつも、

瞬間々々を生き、「今」の中に、生きていています。

その溢れ出る生命力に、目を奪われ、

ついつい、彼らのそばに、長居してしまうのでした・・・。

卵守りの父親ナベカ

2018/08/03&05 上関

ナベカのオスが守る巣穴は・・・、

壁面に、さくらんぼ色の、水まんじゅうのような卵が、

ぎっしり。

いくつかステージがあるようです。

少し角度を変えて、奥までライトを当てさせてもらうと・・・、

目玉のついたステージの卵が、

たくさん。

赤い色がだんだんと薄くなり

透明になった卵は、

いつハッチアウトしても、おかしくなさそうです。

朝日が昇ってしばらく経つと、

ナベカは巣を後にして、食事に出かけてしまいます・・・。

あ。

戻ってきた・・・。

今日の観察は、これまで。笑。

キサンゴと、キサンゴカクレエビ

華やかなキサンゴに同化する、キサンゴカクレエビ。

色といい、質感といい、キサンゴのそれとそっくり。

生物の擬態はすごい。

正面から見ると、笑っている太陽のよう。

天気の良い日は、しっかりとポリプを開いてくれて、

ご機嫌のようですね。

ヒメイカのハッチアウト

2018/5/12 土居 水温15.4℃

アマモの花びらが、散る季節・・・。

ヒメイカの卵の中の眼が、大分、赤くなってきました。

ハッチアウト直前の個体は、足が分かれ、体に赤い斑点ができ、

目も銀色です。

この日の午前中、じっとその、銀色の瞳にカメラを構えていると、

ひょこっ・・・、死角になっていた別の場所から、いきなり一匹、

ハッチアウト。

一瞬の出来事で、シャッターを切れたのは、この一枚だけでした。

そして狙っていた右下の個体は、私が一度海から上がり、タンクを変えている間に、ハッチアウトしていました・・・

また来年、チャンスがあることを祈って、

次はハッチの瞬間を、見届けられたらな、と思います。

PAGE TOP