地家室海域公園。

2124/09/08 山口県周防大島 地家室海域公園 水温23℃

今日のファンダイビングでは、エントリーしてすぐ、フレリトゲアメフラシに出会いました。

左側が頭ですが、卵を抱えており、産卵中のようです。

卵のアップです。産みたての卵は、透明の膜に包まれていました。

卵保護中のタコにも出会いました。

真っ赤な眼ができたばかりの、つやつやの卵、

銀色の目玉ができかけている卵、

体の斑点模様が浮き上がった卵など、
異なったステージの卵を観察することができました。

少し泳いで、アワサンゴの森に到着しました。

この時期は、体内に、プラヌラ幼生を宿しています。
茎の部分の、黄色い粒が見えるでしょうか?

ポリプの中にも、ころころと、たくさんの黄色いプラヌラ幼生がいます。

可愛いですね^^
今が旬ですので、皆様、ぜひ見にきてくださいね!

少し離れた場所ですが、海中花、ウミヒルモの花も咲いていました。

こちらは、そろそろ旬が終わりそうで、たった二つだけ、なんとか見つけることができました。

まだまだ、暑い日が続きます。
海の中は、とても気持ち良いですよ^^
皆様のお越しを、お待ちしております。

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アワサンゴの森のスライドショーです💕

 

 

イソギンポの卵保護 (戦艦陸奥ダイビング)

2024/ 08/25 山口県岩国市柱島沖 戦艦陸奥
水温25℃(水深14mキール付近)

レジャーでの陸奥ダイビング。
ちょっとやりたいことがあったので、合間にマクロのカメラを持って、海に入りました!

陸奥ダイビングにおける一番浅い場所、陸奥のキールがある水深14m付近に住んでいる、イソギンポの写真を撮りたかったのです^^

流れが速い場所が好きなイソギンポは、私たちが普段潜っている、アワサンゴのあるポイントでは見かけたことがありません。しかし、陸奥は流れがある場所です。夏は卵保護をしているはずなので、一度、撮影してみたくて、ずっと機会を窺っていたのでした。笑。

この、美しい眼上皮弁。卵保護をしている、イソギンポのお父さんです。
ひっくり返った陸奥の船底のキールの割れ目に住んでいて、その奥に、青い卵が見えました。

写るかな・・・?

青白い、とても綺麗な卵でした。ハッチアウトまでは、まだもう少し、といった感じでしょうか?初めてイソギンポの卵を見ることができ、嬉しかったです^^

陸奥の船底もキールも脆いので、着底はできません。
いつも流れのない日を選んで陸奥ダイビングを行うのですが、今日は少しだけ、キール付近では流れを感じました。

そんな日は、陸奥の船底にたくさんついている、キサンゴのポリプが開きます。

流れのある日の楽しみの一つです。綺麗ですよね。

その他に、夏は、スズメダイが所狭しと陸奥の上に卵を産み付けています。
明太子の粒々みたいに小さいので、暗い環境である陸奥ダイビングでは、近寄らないと気づかないかもしれません。でも実は、たくさんあります。

婚姻色のスズメダイのオスが、行ったり来たりと陸奥の表面を気にしていたら、その下にはたいてい卵があります。

卵の目がキラキラしています。ハッチアウトの日も近そうです!

カサゴの若魚がとても可愛かったので、時間が迫っていましたが、急いで写真を撮りました。

休憩中でしょうか、ぽやんとした表情が、可愛らしいなぁ、と思います。

普段は夏は透明度が下がりますが、今日はかなり良い方でした。
深い方も行ってみたかったなぁ!!!と思うくらいには、下に行く人たちの泡がよく見えて、天気も良く、気持ちの良い一日でした^^

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アワサンゴの森のスライドショーです💕

 

 

スズメダイの卵保護

2024/07/07&20  水温20℃ ニホンアワサンゴ群生地/地家室海域公園

地家室のニホンアワサンゴ群生地では、夏の風物詩の一つである、スズメダイの産卵が始まりました。

大潮の日、産みつけられたばかりのスズメダイの卵は透明で、とても綺麗です。

卵を守り育てるのは、スズメダイの父親の役割です。

口や胸ビレを使い、卵に新鮮な水を送ったり、付着したゴミを取り除いたりします。

こちらの様子を伺いながらも、片時も、卵のお世話をする手を止めません。

数ミリにも満たないサイズの小さな卵が、アワサンゴの周りにも、所狭しと産み付けられています。

水温にもよりますが、数日経つと、卵の中に、赤ちゃんの目ができてきます。

下の卵の写真の、バックの紫と黄色は、婚姻色のスズメダイの体です。
繁殖期は、スズメダイのオスの体は、このような鱗の色に変化します。

日が経つと、だんだん、卵の目が銀色に輝いてきます。

そして、ギラギラしてくると、ハッチアウト(孵化)間近となります。

ビーチからエントリーして、アワサンゴの森までゆっくり泳いで15分ほどですが、そのアワサンゴの森の入り口付近に、スズメダイがたくさん住んでいる、広大なスペースがあります。

私たちは仲間うちで、「今日どういうルートで行った?」「ええと、スズメダイのいっぱいいる住宅地をまっすぐ通り過ぎて、アワサンゴの森まで行ってきた。」といった言い方をしたりします。笑。

そう、住宅地なんですよね。
そういうのって、ダイビングしてみて初めて気づくというか、海水浴で水面から見たのでは分からないし、水族館では作れない、自然の、命の営み方です。

そこで生活している生物を、上からでも下からでもなく、同じ目線で見て、感じることができるのが、ダイビングの醍醐味かな、と、地家室を潜り続けてそろそろ9年くらいになりますが、思っています^^

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アワサンゴの森のスライドショーです💕

 

 

アワサンゴの生殖腺

2024/07/05  水温19℃ ニホンアワサンゴ群生地/地家室海域公園

一面、緑がいっぱいのアワサンゴの森に、夏がやってきました!

パタパタと忙しげなスズメダイや、

アワサンゴをのんびりと見つめるキヌバリ、

海底に佇むハオコゼなど、

各々が、それぞれの役目を果たしているかのように、それとも自由に、過ごしているようです。

この時期の特色と言えば、アワサンゴの生殖腺です。

茎の部分に、タネが連なったような、数珠のような組織が生まれます。

それは、螺旋のように伸びていたり、

棍棒状に伸びていたりもします。

アワサンゴの中心部から先端に向かって、たくさん伸びてきます。

ここ、地家室海域公園は湾なので、ほとんど潮流のない場所ではありますが、沖の方は僅かに、潮の満ち引きのような流れを感じることがあります。

そのような場所で観察すると、アワサンゴが踊るようにポリプを揺らせているので、根元から発生する生殖腺があらわになりやすく、

目で確認することができて、気付くことができます。
この生殖腺は、役目を終えると、数週間で小さくなり、目では見えなくなります。

普段は、掌を広げたようなポリプを上から眺めることが多いのですが、

この時期は、根元や茎の部分も注目すると、アワサンゴの美しさを新たに発見することができるかもしれません^^

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アワサンゴの森のスライドショーです💕

 

 

春のアワサンゴの森。

2024/03/09&30&31  水温11→13℃ ニホンアワサンゴ群生地/地家室海域公園

春の海はまだ水温が低く、アワサンゴの緑が美しい季節であると言えます。

そのアワサンゴの周辺には、紅藻類のトサカノリや、

レンコンのような穴が空いたカゴメノリ、

薄桃色の糸状の、カギケノリなど、
冬の間は見られなかった若い海藻たちが、さまざまな場所で芽吹き、成長しています。

それらの海藻は、小さな魚たちの隠れ家として機能していたり…

休憩場所であったりもするようです。こちらは、ふわふわのフクロノリに乗っかったアナハゼの子供です。笑。

褐藻であるフクロノリは光の加減で金色にも見え、とても綺麗です。

さて、今の時期は小さめのウミウシが多いのですが、なかでも、触覚や口を動かしながら上手に浮いていたオオアリモウミウシは、とても可愛かったです。

空を飛んでいるように水中を漂っていた、アリモウミウシもいました。

小さなヒメクロモウミウシも、春先に見かけるウミウシです。
こちらは飛びそうかな、と思ったけど、飛びませんでした。笑

定番の、シラユキウミウシ。

初めて出会った、ソバカスウミウシ、

今日もモリモリ歩く、ゴマフビロードウミウシ、

そして、沖の方に行くと、ガーベラミノウミウシなども・・・。

ヒラメ、カレイ、コブダイなども、海の中で見かけると、迫力があります。

通りがかりに見つけたミガキボラは、真珠色の卵をたくさん産んでいるところでした。

アワサンゴの森の中の”スイ”も、美しかったです。

ちょっと、臆病な魚かなと思っているので、驚かさないよう殊更ゆっくりとカメラを向けてみました。

アワサンゴに寄生する白いホウキムシも、よく見ると、傘の真ん中部分や、茎のように見える部分にも、極小の粒状の胞子を蓄えていました。

ピンクのコケムシは、アワサンゴを侵食しそうなほどの勢いです。

ある時期になると次第に見かけなくなりますが、今はまだ、隆盛を誇っているといった感じで、

ホンダワラの海藻の周りにも、朱色のコケムシがたくさん、寄生しています。

そして、ほんの少し成長したキヌバリの若魚たち。

季節がめぐり春がやってきて、陸上が色づいてくるのと同じように、海の中でも、変化する水温と共に、見える景色が変わってゆきます。

海の世界って、水が覆いかぶさってるけど、この土地と繋がっているんだなぁ・・・

と、当たり前のことなのですが、ダイバーになった後、あらためてそんなふうに考えるようになりました。

私たちが、散歩するように季節を感じながら、何度でも同じ海を潜るのは、道端に咲く花を、しゃがんで愛でるような感覚なのだと思います。

皆さまの認識は、どうでしょうか^^
またお会いできる日を、楽しみにしています!

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アワサンゴの森のスライドショーです💕

戦艦陸奥ダイビング/テクニカルダイビング/RAZORサイドマウント

2024/02/02-03  山口県岩国市柱島沖 戦艦陸奥 水温13℃

北風が強く、荒れ模様の一日でしたが、ぎりぎり潜れそうな予報でしたので、陸奥ダイビングに参加してきました。

波立つ水面から、水深40mの第一主砲まで一息に潜降しましたが、ボトムもあまり、透明度が良いとは言えない状況でした。

主砲を見失わないよう、その先端まで泳いで行きます。

ほとんど埋まっている主砲の先端までやってきました。

この日は、そのもっと先にある、「薬莢」の写真を撮りに行く計画です。
船体から離れるため、迷わないようリーダーがリールを引いてくれました。

主砲の蓋のそばを通り過ぎ、
無事、薬莢の転がっている場所に辿りつくことができました。

弾を保管したり、装填しやすくするために用いられるという、筒のような薬莢ですが、その多くが、砂に埋もれています。両手で抱えられるかどうか、といった大きさでしょうか。周辺には、白いお皿も散らばっていました。

薬莢の上には、鮮やかなキサンゴがポリプを開かせています。

同じ-40mの水底には、4体のハナギンチャクの姿もありました。

陸奥の太いアンカーチェーンを横目に見ながら、リールを辿って元の場所に戻ります。

手際よく、リールの回収を終えることができました。

ちなみに、今回のダイビングでは、新たにガスマスクの蛇腹の部分を見つけました。ところどころ崩れてきているので、どこからか落ちてきたのかもしれません。しかしマスク自体は土の中に埋まっているのか、残念ながら目にすることはできませんでした。

その後、水深–30m付近まで浮上し、私たちが「バルブ室」と呼んでいる場所へと向かいます。細長い穴が、その入り口です。

人間一人が入ってUターンできるほどの広さの空間ですが、奥の方にバルブがいくつか確認できるのです。

ただ、へたに動くとシルト質の砂泥が舞うので、私はストロボのアームを広げるのを躊躇いました。なかなか奥まで光を当てられず、ここの撮影は次回の課題の一つとなりました。もう少し慣れたいな、と思いました。

狭い空間と言えば、ベッドルームではないか?と思われるような場所も最近発見されました。ただ、まだ詳細は不明です。

さて、陸奥の後方には、今のところ、3つの隔壁が確認できています。これらの隔壁の位置を確認することも、今回のダイビングの目的でした。

とても巨大な壁ですが、透明度の悪い時などは、突然目の前に現れたり、

すぐ近くにあるのに気付けない時もあります。

第一番目と、第二番目の隔壁は、その間に入った時、気をつけて眼を凝らしたなら、右と左に見ることができます。

しかし、第3番目の隔壁は、少し離れたところにあり、その角度も第一、第二とはだいぶ違うのではないかと、今回はじめて認識しました。

隔壁は大きすぎて、下がらないと画角に入らないのですが、下がると見えなくなるというジレンマがあります・・・。透明度が良ければ問題ないのでしょうが・・・、また撮りに行きたいです。

今回は、RAZORサイドマウントの練習も兼ねてのダイビングでした。
サイドのステージガスは、28%のナイトロックスを使用し、

減圧用のガスは、左脇に、65%のナイトロックス1本としました。

これまではダブルタンクで潜ることが多かったのですが、サイドマウントであれば行動の幅が広がるということも、実地で体感することができました。

まだまだ私は経験が足りないので厳しいプランは立てず、無理のない計画でダイビングを実施するようにしています。この二日間は、バディダイビングで2チームに分かれて潜りました。これからもチームの皆で少しずつ、経験を増やし、技術を高めていきたいと考えています。

現在、Love&Blueでは、一緒にテクニカルダイビングを学ぶ仲間を募集しております!興味のある方、私たちと一緒にやってみませんか?

海で皆様にお会いできる日を、楽しみにしております^^

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ウミウシ増えてきました!

2024/01/15-16 山口県周防大島 地家室海域公園 水温14℃

例年に比べて水温はまだ、高い方ですが、この時期になるとウミウシが随分と増えてきます。

ピンク色が可愛いヒロウミウシ、見つけると、とても幸せな気分になります^^

アズキウミウシも、増えてきました。

極小のアズキウミウシと、その手前にはシロウミウシが・・・

・・・シロウミウシ、モリモリ歩いてアズキウミウシの横を通り過ぎます。

そのすぐそばに、サラサウミウシもいました。どんどん歩いて行くので、慌ててストロボを調整します。

鮮やかな黄色が綺麗すぎて、何だか浮いているみたいに見えてしまう、キイロウミコチョウ。

そして、まだ小さな、アオウミウシ。

アワサンゴに圧倒されている(ように見える)コノハミドリガイ。

宇宙人みたいな、可愛いコモンウミウシ、

そして私の大好きな、ゴマフビロードウミウシ。

こっちの個体は、狭いところに挟まっていました。居心地が良いのかな。
どうしても、ここが良いのかな。笑。

とても小さなコトヒメウミウシ。

さらに極小サイズの、シロイバラウミウシ。

ミツイラメリウミウシの白バージョン。

そして、黄色バージョン。

キヌハダウミウシ。

シラユキウミウシ。

たくさんの可愛らしいウミウシに出会えて、大満足のダイビングでした^^

そして、ウミウシだけ撮る!と決めて海に入ったものの、やはり、最後には大好きなコケギンポのところへ、ふらふらと寄ってしまう私です・・・。笑。

元気にうんちをしている姿を見ることができ、安心致しました。笑。

もうこれは、一目惚れみたいなもので、

ダイビングを始めた時からずっと好き。笑。皆さんは、どの生物がお気に入りですか?また、教えてくださいね^^

帰り道では、ここでは珍しいスイに出会いました。

透明度も良く、アワサンゴの緑も美しくなるこの季節、
皆様に海でお会いできるのを、
楽しみにしております^^

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瀬戸内海でマッコウクジラ(山口県)

2023/12/23 – 29 山口県熊毛郡平生町、上関町沖

12月上旬に、瀬戸内海、山口県周防大島町周辺の海にマッコウクジラが迷い込んでいるという話を聞いたのですが、12月下旬になって、平生町や上関町付近の湾の中に滞在しているのを、数日間に渡り、観察することができました。

大きさは10m前後で、まだ若いマッコウクジラです。
広島県の呉市付近で、マッコウクジラの群れが発見されたという話もあり、迷子なのかもしれません。

こちらに近づいてきてくれました。

顔を出して、こちらを見て・・・、

すぐそばを通り過ぎて行きました。
美しい尾鰭でした。

山口県の象徴であるオレンジのガードレール、そして、湖のように凪の瀬戸内と、マッコウクジラという組み合わせは、とても不思議な感じがします。

ぬばたま色・・・。
思わずそんな言葉が頭に浮かびました。日本人の黒髪や夜を表現する枕詞だったかと思いますが、そんな艶のある、美しい黒だと思いました。

湾の行き止まりである東、そこに留まっているのは、東にいる家族の元へ行きたいからなのでしょうか。でもいったん西に泳がないと、ここからは出られないのです。

ただ、数日に渡って観察していると、湾の中とは言え、少しずつ行動範囲が広がっていることが、すぐに分かりました。

おそらく、ここから出ていくのではと思っていたとおり、29日には既に見当たらなくなりました。

無事に、生き延びてほしいな、と願っています。

地元のKRYニュースでは、5年程前から毎年このあたりでは、冬から春先にかけてクジラが現れることがあり、冬の風物詩となっている、とインタビューを受けている地元の漁師さんが映っていました。
クジラの周りにはイワシがいて、サワラやハマスが釣れるのだと。

イワシが美味しかったから、ここにいたのかな。
そうであればいいのにな、と思います。

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山口県周防大島、
地家室海域ニホンアワサンゴ群生地スライドショー💕

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陸奥砲塔の内部見学/海上自衛隊第1術科学校(旧海軍兵学校/江田島)

(FISHEYEレンズで撮影しています)

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先日、戦艦陸奥プロジェクトメンバーの皆と一緒に、江田島に行ってきました。
江田島の海自第一術科学校(旧海軍兵学校)にある、旧式陸奥の砲塔を見学するためです。

今回は、特別な許可を頂き、第一術科学校の広報係の方の案内のもと、砲塔内部の見学撮影を行いました。

写真の真ん中、灰色の砲塔は、遠目に見ても、左の白い建物と比べても、とにかく巨大でした。

横から見るとこんな感じです。

人間と比べると、その大きさがより際立ちます。

近寄っても、下から見上げても、いつもダイビングで見ている陸奥の主砲と同じ「陸奥の主砲」であることが、なかなかピンと来ないくらい、砲塔全体が大きく感じられました。

そこで、横にある建物の屋上に上がる許可を頂き、違う角度から見てみました。

すると、ああ、これだ、これだ、と、

主砲と同じ高さの目線となって初めて、ダイバーである私達がいつも海の中で見ている陸奥と、イメージが一致しました。

実際のダイビングでは、水深40mに沈んだ陸奥の主砲の根本から先に向かって、自分の位置を見失わないようにゆっくり泳いでいきます。海中はライトで照らした部分しか見えないほど暗いため、このように全体を見て把握することができ、とても勉強になりました。

そして、いよいよ砲塔の内部見学です。
荷物など、背負ったままでは入れないほど、入口は狭かったです。

体の大きなアメリカ人などは入れないのでは・・・と思いました。

砲塔内部は戦後、使用できないよう米軍によって爆破処理されています。
ヘルメットと軍手を着用して見学を行いました。

すり抜けるようにハッチをくぐり、中に入ると、思ったより広くて綺麗な空間が広がっていました。

未だしっかりと形を保っているということは、それだけ造りが頑丈であったということでしょうか。

下の写真は天井部分です。茶色の薄い鉄板はおそらく当時のものではないのですが、その周りの、灰色のコンクリートのような、分厚い陸奥鉄・・・切り取られた天井の、その厚さに驚かされます。

かつて、実際に陸奥の4番主砲として搭載されていたこの砲は旧式であり、

ワシントン条約(大正11年)やロンドン条約(昭和5年)の規制などを鑑み陸奥が改装された際に、江田島に移設されました。

それが昭和10年の話で、それからは海軍兵学校生徒の教材として、利活用されることとなります。

そういえば、私の母方の祖父は3兄弟の末っ子で、かつて予科練・・・呉の海軍飛行予科練習生でした。特攻する前に戦争が終わったお陰で、生き残ったとのことですが・・・。祖父の兄達は海軍の士官だったそうですが、江田島に来たこともあったのだろうか・・・。

今は亡き祖父が、「憧れの海軍に入れて、そりゃあ嬉しかったよ!!おじいちゃん、いっぱい勉強したけぇね。そりゃあ、花形だもん」と、ちょっと照れたように言っていたのを、幼な心に私は覚えています・・・。

陸奥のことも、聞いておけばよかったな、と、今更ながら後悔しています。
そんなことを思い出しながら、見学をしました。

当時の若者達の、憧れだった戦艦陸奥、その砲塔は、ここ江田島で、思った以上にしっかりとした形を残して、存在していました。こんな巨大な鉄の塊が実際に海に浮いて稼働するなんて、その姿は、きっと当時の日本の誇りたり得たのだろうな、と想像できます。

とは言え、一方で私の父方の祖父は、「海軍に入ったら死ぬ。海の上は逃げ場がないからね。北も、満州も、死ぬ。日本は負ける。南下する部隊に入って捕虜になるしか手はない」と、陸軍を選んでいます。実際彼は、オーストラリアでフルーツバット(コウモリ)を食べて生き延び、米軍の捕虜となり、生きて日本に帰って来ました。祖父は、・・・どこで、何の作戦で、何人死んでいったか、よく覚えていました。

まさに、世界最高の戦艦だった陸奥は、爆発事故により沈没し、山口県岩国市柱島沖に眠っています。そこで、1000人以上が亡くなりました。
水深14〜40m、ダイビングで訪れることのできる場所であるため、私達は装備を整えて、定期的にそこを訪れています。砲塔内部はまだ未発見の場所ではありますが、まず、陸上でそれらの形状をしっかりと観察することが、今後も安全に調査ダイビングを行っていく上で大切になると考え、今回の見学の運びとなりました。

海中の陸奥を訪れる度に、私は心の中で、陸奥に挨拶します。
会いに行くたびに、どこかしら崩れていく最近の陸奥は、諸行無常そのものだな、と感じています・・・。
それそのものは、威信も期待もない無機物ですが、少しずつ形を無くしてゆく様は陸奥の嘆きのようにも思え、
私にとっては、かつて大勢の人間と関わってきた歴史も含め、ある一定の長さの物語と寿命を持つ生物のようにも感じられるのです。

「形あるものはいつか無くなる」。
どこかの禅のお坊さんが言っていたような言葉が、海中の陸奥に会いに行く度に、
いつも頭をよぎります。

ある時はメバルの群れに寄り添われ、ある時はオコゼの寝床になり・・・、流れの強い日はキサンゴが咲き、イソギンポが船底から顔を覗かせる・・・それが今の陸奥ですが、そしてそれも、いつかは無くなることでしょう。

そんなありのままの陸奥の姿を、これからも記録していきたいな、と思います。

最後に資料館を見学させていただきました。
ダイビングでは、陸奥の船窓の窓枠しか見たことがなかったので、そのぶ厚い窓ガラスが展示されているのを、とても興味深く拝見しました。

帰り道では、赤レンガの海上自衛隊幹部候補生学校に寄りました^^

「坂の上の雲」のロケで使用された「もっくんロード」・・・

レンズがFISHEYEなので、ちょっと格好がつかないかもしれませんが、、、
一枚撮りました。

今回、見学と撮影の許可を下さり、ご案内下さった海上自衛隊第1術科学校総務課広報係さまには、心より御礼申し上げます。今後の陸奥の調査ダイビングのための、大変貴重な糧となりました。

また、機会がございましたら、どうぞ宜しくお願い致します。
この度は、ありがとうございました!!

撮影機材:
Canon Eos 5D mark Ⅳ
EF8-15mm f/4L FISHEYE USM

戦艦陸奥ダイビング

2023/12/03-04
山口県岩国市柱島沖 戦艦陸奥 水温18℃

サイドマウントのトレーニングも兼ねて、陸奥プロジェクトチームのメンバー達と、2日にわたり戦艦陸奥を潜りました。
サイドマウントは、ダブルタンクよりも小回りが効くため、今まで撮影しにくい場所だな、と思っていた“副砲”をしっかり撮るのが、今回の目的の一つでした。

副砲の根本は、少し奥まった場所にあり、光が届きにくいです。

今までは、遠くから眺めたことしかなかったのですが、初めて近くまで寄ってみました。
視界が悪い場所なので、砂埃などを立てないように注意しなければなりませんが、サイドマウントであれば、自分の身幅が分かりやすく、動きやすいです^^

主砲に比べると、随分、砲身が細いですが、しっかりと形が残っています。

今回は、陸奥全体に靄がかかったような、モヤモヤとした水質で、もしかしたら、またどこかが崩れていたのかもしれません。こんな日は、対象物にしっかりと寄らないと、何も写りません・・・。

しかし寄りすぎると、何を示したいのか分からない写真になったり、難しいです・・・。こちらは、副砲の先端部分です。

その後、海底に埋まるように落ちた陸奥の梁の近くを通り、

大きめの滑車も見ることができました。

ファンのようなものも幾つか見つかりました。

何のガスが入っているのかな?ガスボンベもありました。

今回は、陸奥の前側、主砲の方も調査したかったのですが、
主砲の先へ行くにつれて、透明度が悪くなっていき、

鎖が落ちている部分までは泳いでみたのですが、引き返すことにしました。

その後、陸奥の側面まで戻り、ほとんど埋まっている第2主砲の写真を撮りました。こちらも、上が詰まった環境で撮りにくいのですが、何とか写ってくれたかな・・・?またリベンジしたいです。

そしてこちらは、陸奥のボラート。

奥まって影となっている部分には、換気扇のようなファンがありました。

そして、艦橋の方へと向かいます。

艦橋は、結構残っている部分が多いので、これから少しずつ、写真の解析をしていきたいな、と思います。

次はいつ陸奥に来られるかな。
その日を楽しみに、トレーニングに勤しみたいと思います^^

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