陸奥砲塔の内部見学/海上自衛隊第1術科学校(旧海軍兵学校/江田島)

(FISHEYEレンズで撮影しています)

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先日、戦艦陸奥プロジェクトメンバーの皆と一緒に、江田島に行ってきました。
江田島の海自第一術科学校(旧海軍兵学校)にある、旧式陸奥の砲塔を見学するためです。

今回は、特別な許可を頂き、第一術科学校の広報係の方の案内のもと、砲塔内部の見学撮影を行いました。

写真の真ん中、灰色の砲塔は、遠目に見ても、左の白い建物と比べても、とにかく巨大でした。

横から見るとこんな感じです。

人間と比べると、その大きさがより際立ちます。

近寄っても、下から見上げても、いつもダイビングで見ている陸奥の主砲と同じ「陸奥の主砲」であることが、なかなかピンと来ないくらい、砲塔全体が大きく感じられました。

そこで、横にある建物の屋上に上がる許可を頂き、違う角度から見てみました。

すると、ああ、これだ、これだ、と、

主砲と同じ高さの目線となって初めて、ダイバーである私達がいつも海の中で見ている陸奥と、イメージが一致しました。

実際のダイビングでは、水深40mに沈んだ陸奥の主砲の根本から先に向かって、自分の位置を見失わないようにゆっくり泳いでいきます。海中はライトで照らした部分しか見えないほど暗いため、このように全体を見て把握することができ、とても勉強になりました。

そして、いよいよ砲塔の内部見学です。
荷物など、背負ったままでは入れないほど、入口は狭かったです。

体の大きなアメリカ人などは入れないのでは・・・と思いました。

砲塔内部は戦後、使用できないよう米軍によって爆破処理されています。
ヘルメットと軍手を着用して見学を行いました。

すり抜けるようにハッチをくぐり、中に入ると、思ったより広くて綺麗な空間が広がっていました。

未だしっかりと形を保っているということは、それだけ造りが頑丈であったということでしょうか。

下の写真は天井部分です。茶色の薄い鉄板はおそらく当時のものではないのですが、その周りの、灰色のコンクリートのような、分厚い陸奥鉄・・・切り取られた天井の、その厚さに驚かされます。

かつて、実際に陸奥の4番主砲として搭載されていたこの砲は旧式であり、

ワシントン条約(大正11年)やロンドン条約(昭和5年)の規制などを鑑み陸奥が改装された際に、江田島に移設されました。

それが昭和10年の話で、それからは海軍兵学校生徒の教材として、利活用されることとなります。

そういえば、私の母方の祖父は3兄弟の末っ子で、かつて予科練・・・呉の海軍飛行予科練習生でした。特攻する前に戦争が終わったお陰で、生き残ったとのことですが・・・。祖父の兄達は海軍の士官だったそうですが、江田島に来たこともあったのだろうか・・・。

今は亡き祖父が、「憧れの海軍に入れて、そりゃあ嬉しかったよ!!おじいちゃん、いっぱい勉強したけぇね。そりゃあ、花形だもん」と、ちょっと照れたように言っていたのを、幼な心に私は覚えています・・・。

陸奥のことも、聞いておけばよかったな、と、今更ながら後悔しています。
そんなことを思い出しながら、見学をしました。

当時の若者達の、憧れだった戦艦陸奥、その砲塔は、ここ江田島で、思った以上にしっかりとした形を残して、存在していました。こんな巨大な鉄の塊が実際に海に浮いて稼働するなんて、その姿は、きっと当時の日本の誇りたり得たのだろうな、と想像できます。

とは言え、一方で私の父方の祖父は、「海軍に入ったら死ぬ。海の上は逃げ場がないからね。北も、満州も、死ぬ。日本は負ける。南下する部隊に入って捕虜になるしか手はない」と、陸軍を選んでいます。実際彼は、オーストラリアでフルーツバット(コウモリ)を食べて生き延び、米軍の捕虜となり、生きて日本に帰って来ました。祖父は、・・・どこで、何の作戦で、何人死んでいったか、よく覚えていました。

まさに、世界最高の戦艦だった陸奥は、爆発事故により沈没し、山口県岩国市柱島沖に眠っています。そこで、1000人以上が亡くなりました。
水深14〜40m、ダイビングで訪れることのできる場所であるため、私達は装備を整えて、定期的にそこを訪れています。砲塔内部はまだ未発見の場所ではありますが、まず、陸上でそれらの形状をしっかりと観察することが、今後も安全に調査ダイビングを行っていく上で大切になると考え、今回の見学の運びとなりました。

海中の陸奥を訪れる度に、私は心の中で、陸奥に挨拶します。
会いに行くたびに、どこかしら崩れていく最近の陸奥は、諸行無常そのものだな、と感じています・・・。
それそのものは、威信も期待もない無機物ですが、少しずつ形を無くしてゆく様は陸奥の嘆きのようにも思え、
私にとっては、かつて大勢の人間と関わってきた歴史も含め、ある一定の長さの物語と寿命を持つ生物のようにも感じられるのです。

「形あるものはいつか無くなる」。
どこかの禅のお坊さんが言っていたような言葉が、海中の陸奥に会いに行く度に、
いつも頭をよぎります。

ある時はメバルの群れに寄り添われ、ある時はオコゼの寝床になり・・・、流れの強い日はキサンゴが咲き、イソギンポが船底から顔を覗かせる・・・それが今の陸奥ですが、そしてそれも、いつかは無くなることでしょう。

そんなありのままの陸奥の姿を、これからも記録していきたいな、と思います。

最後に資料館を見学させていただきました。
ダイビングでは、陸奥の船窓の窓枠しか見たことがなかったので、そのぶ厚い窓ガラスが展示されているのを、とても興味深く拝見しました。

帰り道では、赤レンガの海上自衛隊幹部候補生学校に寄りました^^

「坂の上の雲」のロケで使用された「もっくんロード」・・・

レンズがFISHEYEなので、ちょっと格好がつかないかもしれませんが、、、
一枚撮りました。

今回、見学と撮影の許可を下さり、ご案内下さった海上自衛隊第1術科学校総務課広報係さまには、心より御礼申し上げます。今後の陸奥の調査ダイビングのための、大変貴重な糧となりました。

また、機会がございましたら、どうぞ宜しくお願い致します。
この度は、ありがとうございました!!

撮影機材:
Canon Eos 5D mark Ⅳ
EF8-15mm f/4L FISHEYE USM

戦艦陸奥ダイビング

2023/12/03-04
山口県岩国市柱島沖 戦艦陸奥 水温18℃

サイドマウントのトレーニングも兼ねて、陸奥プロジェクトチームのメンバー達と、2日にわたり戦艦陸奥を潜りました。
サイドマウントは、ダブルタンクよりも小回りが効くため、今まで撮影しにくい場所だな、と思っていた“副砲”をしっかり撮るのが、今回の目的の一つでした。

副砲の根本は、少し奥まった場所にあり、光が届きにくいです。

今までは、遠くから眺めたことしかなかったのですが、初めて近くまで寄ってみました。
視界が悪い場所なので、砂埃などを立てないように注意しなければなりませんが、サイドマウントであれば、自分の身幅が分かりやすく、動きやすいです^^

主砲に比べると、随分、砲身が細いですが、しっかりと形が残っています。

今回は、陸奥全体に靄がかかったような、モヤモヤとした水質で、もしかしたら、またどこかが崩れていたのかもしれません。こんな日は、対象物にしっかりと寄らないと、何も写りません・・・。

しかし寄りすぎると、何を示したいのか分からない写真になったり、難しいです・・・。こちらは、副砲の先端部分です。

その後、海底に埋まるように落ちた陸奥の梁の近くを通り、

大きめの滑車も見ることができました。

ファンのようなものも幾つか見つかりました。

何のガスが入っているのかな?ガスボンベもありました。

今回は、陸奥の前側、主砲の方も調査したかったのですが、
主砲の先へ行くにつれて、透明度が悪くなっていき、

鎖が落ちている部分までは泳いでみたのですが、引き返すことにしました。

その後、陸奥の側面まで戻り、ほとんど埋まっている第2主砲の写真を撮りました。こちらも、上が詰まった環境で撮りにくいのですが、何とか写ってくれたかな・・・?またリベンジしたいです。

そしてこちらは、陸奥のボラート。

奥まって影となっている部分には、換気扇のようなファンがありました。

そして、艦橋の方へと向かいます。

艦橋は、結構残っている部分が多いので、これから少しずつ、写真の解析をしていきたいな、と思います。

次はいつ陸奥に来られるかな。
その日を楽しみに、トレーニングに勤しみたいと思います^^

テクニカルダイビング/自主トレ

2023/11/26 山口県周防大島 水温19℃

今週末は陸奥でテクニカルダイビングをする予定なので、
皆で自主トレーニングを行いました。

忘れ物チェックのための写真も撮りました。
サイドマウントでカメラを持つ時の、私の装備です。

今回は、ダブルタンク組と、サイドマウント組に分かれてトレーニングを行いました。

<Razor>サイドマウントシステムのインストラクターである師匠。
水深1・5mでウェイト調整を行っています。綺麗なトリム(姿勢)だな、と思いますが、世界基準であるRazorのインストラクター試験は、日本のダイビングのレベルと比べると、とても厳しかったそうです。

ダブルタンク組は、ウェイト調整後は、カメラの練習をしていました。


サイドマウント組は、今日は、各々練習したいことを自由に練習します。

最後、ちょっと暇になったリーダーは、中性浮力で逆立ちをしたまま浮いていました^^


私はカメラのストロボの確認作業をするため、写真でブラックボックスを作る必要がありました。

そして、右のストロボだけ当てます。

次に、左のストロボだけ当てます。

そして、今度は左右両方のストロボを光らせます。

上から当てたストロボなので、画面の真ん中より下は、光が当たっていません。今度は左右のストロボの位置を、下げて、また同じことを繰り返して、どのようにすれば、どのような光が当たるのかを、検証してゆくのですが・・・、写真撮影を行う上で、すごく大切な作業だと頭で分かっていても・・・性格が大雑把な私には、いつも、中々骨の折れるプロセスです。笑。

浅瀬は透明度が良く、旬を過ぎて少し短くなった海藻が、まだなお、元気な姿を見せてくれていました。枯れると冬が来た、と感じる海中の風景ですが、まだその過渡期のようですね^^

紫と黄色の海綿で擬態する甲殻類 ー アケウス

山口県周防大島 地家室海域公園 水温20℃

美しい紫色の海綿・・・それをハサミで千切って、甲羅や頭、足の上に取り付けている甲殻類がいます。

カニのハサミと眼が真ん中らへんに・・・見え・・・ない、かな?
微動だにしません。笑

別の日。ライトで照らすと眩しかったようで、ハサミが開きました。
ちょうど、左眼を半分隠しているようなポーズです。

足の上には、黄色と紫の海綿を、膝サポーターのように、ぽんぽんぽん、と付けています。

大きさは、3、4cmくらいでしょうか?まだ小さなアケウスです。

”アケウス”という名前は、何だかいつも私にはピンと来ず、よく名前をど忘れしてしまうのですが、学名(ラテン語)のカタカナ読みとして、そのままアケウスと呼ばれているようです。日本語ではないのですね。
どこからどこまでが本体なのか、いまいち分かりません。笑。とても興味深い生物だと思います。

この日は、帰り道、キジハタにも出会いました。

10cm以上ありそうですが、まだ顔つきが幼いです。

ここ地家室ではお初です。

警戒心が強く、近寄るのは少し、難しかったです。

ウミウシは大分減ってきましたが、小さなアズキウミウシを見かけました。

最近は少し水温が下がってきたからか、大量発生していたオヨギイソギンチャクは、鳴りを潜めてきました。

何かが大量発生したり、たとえばそこの環境が変化したりすることは、良いことなのか、悪いことなのか、
いつもオーナーの小川さんと、そういうことを話す時の結論は、「100年、1000年、10000年のスパンで私たちは見ることができないからね。そういう意味で、”分からない”だね。」という答えになります・・・。笑。
無知の知ですね・・・。

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山口県周防大島、
地家室海域ニホンアワサンゴ群生地スライドショー💕

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魚のあくび。

山口県周防大島 地家室海域公園 水温20℃

何枚も写真を撮っていると、時々、魚のあくびが写ることがあります。
いつか、あくびシリーズを作ってみたい・・・ひそやかな私の夢です・・・笑

キヌバリの仲間であるチャガラ。

そして、こちらは、キヌバリのあくびです。

婚姻色のニシキハゼも、そろそろ見納めの時期がやってきました。
こちらは、あくびではなく、驚かせてしまったので、口が開いています。

怖かったよね、ごめんなさい・・・。

瀬戸内の魚は、だいたいアースカラーだろういうのはかつての自分の思い込みで、本当は、温帯の海の中も、とても、彩り豊かであると、今は感じています。
青い稲妻のようなニシキハゼのほっぺ、大好きです。

ニジギンポの卵保護も、終盤に差し掛かってきました。

陸も肌寒くなってきましたが、少しずつ、海の中も冬の足音が聞こえてくるようです

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山口県周防大島、
地家室海域ニホンアワサンゴ群生地スライドショー💕

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季節来遊魚。

山口県周防大島 地家室海域公園 水温20℃

今年は、季節来遊魚として、ハタタテダイがやってきてくれました。

地家室で見たのは、私は初めてです。
くりくりと動く目が、とてもキュートなお魚です。

カワハギのそばにいたり、

メバルと一緒にいる姿というのも、珍しいのではないかな、と思います。

今年、越冬したのではないかと疑っている、キンチャクダイも、大分大きくなっています。瀬戸内のホンダワラの海藻のそばを、南国風の色鮮やかな魚が泳いでいる風景というのは、不思議な感じがします。

季節来遊魚ではないけれど、秋になると、たまに見かけることのあるお魚もいました。

ひめじです。餌を探す途中で口ひげに他の魚が当たってしまうと、苛立ちを隠せないのか、前方の魚を追いかけ回していました。笑。

ライトが当たるとキラキラ光るヒイラギの群れも、秋の風物詩と言えます。
とても綺麗なのです。

この美しさを、どう撮ったらいいのか、マクロレンズでは写すだけで精一杯だったので、また次回の楽しみにしたいな、と思います^^

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山口県周防大島、
地家室海域ニホンアワサンゴ群生地スライドショー💕

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ニジギンポの卵保護/夜光虫

山口県周防大島 地家室海域公園 水温23℃

今年は、ニジギンポの卵保護を多く観察することができ、嬉しいです。

ぷるぷるの黄色い卵が成長して、やがて目玉ができます。

卵を守るニジギンポの親の眼差しも・・・、

 

そのヒレ越しに見える卵も、綺麗だなぁ、と思います。

浅瀬では、夜光虫がたくさん発生していたので、撮れるがどうか、チャレンジしてみました。

夜光虫、おしりみたいでかわいいです・・・。笑

左上の黄色いプランクトンは、肉眼では赤い砂みたいに見えるのですが、今、たくさん発生しており、気になっています。

何というプランクトンか調査中です。

近年は、浅瀬の方にもアワサンゴが増えており、キヌバリとアワサンゴという組み合わせの写真も撮ることができますよ^^

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山口県周防大島、
地家室海域ニホンアワサンゴ群生地スライドショーです💕

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戦艦陸奥/テクニカルダイビング

2023/10/09&10 戦艦陸奥 山口県岩国市柱島沖 水温23℃

Love&Blueのテクニカルチーム4名で、2日に渡り、戦艦陸奥を潜ってきました。

今回、Nonoちゃんは、テクニカルダイビングの装備に加えて、初めてカメラを持って入るということで、トレーニングを重ねてきました。
練習の成果も出て、減圧の酸素切り替えもスムーズに行うことができました。

L&Bのエース、頼りになる陸奥のプロジェクトリーダーと、

ルート案内兼、減圧ダイビングリーダーの真弓ちゃん、

4人のチームでダイビングしました。

船内のランプと思われるものや、

靴のようなもの、

配電盤と思しきもの、

散らばったお皿やスプーンなど・・・、

ボトム40mを約30分、2日間で4ダイブ行いました。

夏は透明度が落ちるのに加えて、近くで底曳き網等の漁が行われていたりすると、もわっとした濁りが大量に流れてくることがあります。
どれだけ分かりやすい陸奥の写真を残していけるか、というのが私の課題なのですが、なかなか難しいなぁ、と思いました。
これからも、しっかりトレーニングを重ねていきたいと思います^^






歩くプラヌラ幼生、アワサンゴの赤ちゃん。

2023/09/30 山口県周防大島 地家室海域公園 水温23℃

アワサンゴから放出されたプラヌラ幼生は、着底場所を探して海の中を彷徨います。

ころんと、海底に転がったプラヌラ幼生は、写真を撮っているうちに、動いていくことがあります。

こんなふうに、そろり、そろりと・・・

嘘でしょ!笑、と海の中で笑いそうになりました。
昨年からずっと疑問で、でも、気のせいだと思っていたのです。しかし、やっぱり気になって、アワサンゴを飼育しているなぎさ水族館さんに伺ってみると、「繊毛が生えているから、自力で動くよ!」と教えて下さりました。・・・なるほど!!
昔、学校の理科で、ゾウリムシの繊毛とか、ミドリムシの鞭毛とか習ったな、あれが生えてるから動けるんだね〜!と感動しました。笑。

結構、伸縮しながら動いていくように思います。

プラヌラ幼生は種のような形で、手も足も見えないけれど・・・、
ちゃんと動いて、自分のお気に入りの場所を見つけることができるって凄いですね。
お尻をぴっとりとくっつけて、着底を完了させるようです。

成長が進むと、おまんじゅうのような形になります。

十二本のポリプが分かれて育っていき、大人のアワサンゴの形に近づいていきます。

アワサンゴの基底である白い骨格も、とても薄いのですが、すでにこの段階で観察することができます。

アワサンゴの中に散らばっている茶色の色素は、褐虫藻と呼ばれる藻類です。アワサンゴにとってなくてはならない共生相手は、赤ちゃんの時から、ずっと一緒なんですね。

ひと目盛りが0.5ミリの定規を当ててみると、とっても小さいことが分かります。ポリプが開いて1ミリほどの大きさでしょうか。
本当に可愛らしくて興味深い生き物です。

プラヌラを放出すると、弱って死んでいく大人のアワサンゴも多数います。

しかし、その死骸の上にも、着底したプラヌラ幼生が、新たなアワサンゴとして育っています。

これからも、その成長を見守っていきたいな、と思います^^

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山口県周防大島、
地家室海域ニホンアワサンゴ群生地スライドショーです💕

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アワサンゴ、プラヌラ幼生の放出。

2023/09/30 山口県周防大島(地家室) 水温24℃(max26℃, min&avg24℃)

今年は水温が高く、弱ったアワサンゴが多い印象でした。しかし、その萎んだ体の中でも、プラヌラ幼生はしっかりと育っていたようです。

アワサンゴの体内に見える黄色い粒が、
アワサンゴの赤ちゃん、プラヌラ幼生なのですが、

形は、種子植物の種のよう。少し縮み気味のポリプの真ん中から、スーっと出てきました。

ぽろ、と外にこぼれます。

体長は、数ミリほど。心地良い着底場所を目指して、海の中を漂います。

ぷりっとお尻を覗かせたプラヌラ幼生は、

通常、あっという間に旅立って行きますが、

たまに、アワサンゴのマウスに引っ掛かって、30分以上出て来ない幼生もいます。

実は今日、周防大島の水族館の方々にお会いする機会があり、アワサンゴの疑問をいくつも解決して頂き、感謝の気持ちでいっぱい、興奮冷めやらずブログを書いているところなのですが・・・、

写真を整理しながら、もしかして、こういうなかなか出て来ない個体は逆子なのかもしれないなぁ、とも思いました。笑。また機会があればお聞きしてみたいです。

アワサンゴの生態は、人間の私からすると、摩訶不思議そのもの、とても興味をそそられます・・・。笑。

さて、ちょうど1週間前が、ピークといえばピークだったのかもしれませんが、
今年はプラヌラ幼生が中々放出されず、アワサンゴの体内に残ったまま死んだ個体もあったのではないか、と思います。


(死んで骨格だけになったアワサンゴ)

とは言え、新しい世代もちゃんと、育っています。
小さな小さな、着底したてのアワサンゴ達、下の写真は、もともとは何匹のプラヌラ幼生から成っていたのでしょうか・・・?

上に2匹、左に4匹、右に1匹??かな・・・???
細長かった形状のプラヌラが、どんなふうに発達して、花びらを咲かせるように育っていくのか、気になります・・・。

毎年、変わりゆく環境の中で、どのようにこの海が育っていくのか、
これからも観察を続けていきたいな、と思います^^

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山口県周防大島、
地家室海域ニホンアワサンゴ群生地スライドショーです💕

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