カブトガニの交接・産卵

2018/07/14 田布施

夏の盛り、真夜中の大潮・・・。

二匹のカブトガニが、ゴゴゴゴゴ・・・

産卵に適した場所を探しに、

繋がったまま、浅瀬へやってきます。

前がメス、後ろがオス。

まるでそういう生物であるかのごとく、

二匹でひとつのまま、移動します。

そして、気に入る場所が見つかったら最後、

2、30分は、そこから動きません・・・。

メスが砂泥の中に潜り込み、卵を産んでいるようです。

その後、産卵が終われば、

繋がったまま 深場へ再び帰っていく・・・。

 

人間の頭よりも大きな、カブトガニ。

2億年の間、その形をほとんど変えていないとか。

太古より続く海の営みの、

すぐ傍らでは工場が、夜も煙を上げています。

古生代から現代へ 陸の景色が様変わりするなか、

まるで円を描くように・・・

この命の連鎖は 一体何度、

繰り返されてきたのでしょう。

イソギンポとコケギンポ 

1/13  金魚のしっぽ

比較的、流れのあるポイントである

「金魚のしっぽ」では、

イソギンポがたくさんいます。

頭の上の皮弁・・・眼上皮弁が、

潮に流されて、ヒューヒューとはためきます。

右から左に、少し強めの潮が流れています。

皮弁がひらひら。あ、こっち向いた。

イソギンポは結構、好奇心が旺盛な魚で、

目が合こともう多く、うれしいです。

外を見つめるイソギンポ。

小指よりも小さい個体でした。

 

次に、皮弁の形が、

イソギンポよりもモサモサとしている

コケギンポ。

イソギンポの住んでいる岩より、

少し深い場所にいました。

巣穴から少し、顔を出して、辺りの様子を伺うと・・・

バッ!

体を半分ほど乗り出しました。

この後、巣穴の中でしたと思われる「うんち」を、

器用に外に掃き出したのでした。

写真に収められず、残念。

また、リベンジです!

 

 

 

ジョーフィッシュのおチビさん

指示棒の先端が

写真の左下端に写っているけれど・・・、

それよりも、

ジョーフィッシュの頭の方が小さい。

頭の直径、5㎜以下。

 

こんなに小さくても、

ちゃんと巣穴を作り、

入り口の周りに貝殻の破片を

敷きつめている。

 

夜になると、

その一つを小さな口でくわえて、

大人と同じように

巣穴にフタをするのだろう。

 

初めてダイビングをした日のこと。

瀬戸内海ー。故郷の海—。

普段、釣りで釣れる、

普通の魚たち。

だけど、

群れの成し方も、泳ぎ方も、

佇み方さえ それぞれ違う。

 

たぶん、魚ごとに、考えてることが違うのね・・・。

 

潜ってみるまで

そんな当たり前のこと知らなくて、

だから、ほんとうに些細なこと

ひとつひとつに、

感動する。

 

温帯の柔らかい色の地味な魚は、

熱帯の魚のような 派手さがないからこそ、

 

観察者はある意味惑わされずに、

表層の向こう側にある 命の輝きに、

直接アクセスできるのかもしれない。

 

だからたぶん、それが楽しい。

生まれ育った海の 海水浴で見える景色・・・

それが全てだと 思っていた。

 

だけど、

中層に浮かび

海底に沈み

目の高さを合わせてみて はじめて、

そこに もうひとつの空間が

あったことに気付く・・・。

それは、まるで宇宙のような

無重力の世界。

 

それが、思いのほか、

手の届く場所にあった。

そのことがとても、意外だった。

 

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