ジョーフィッシュの求愛行動。

2022/7/24  周防大島 水温21℃

まだ薄暗い、早朝の海底です。
ジョーフィッシュのオスが、見たことないほどほっぺたを膨らませて、ただならぬ様子でした。

すると、次の瞬間、巣穴から体を伸び上がらせて大ジャンプ。

尻尾から巣穴に戻る時も、顎が外れそうなほど口を開けています。

シルト質の泥地の巣穴から、バサ、バサ、と垂直に飛び出すので、
その度に白灰色の砂埃が舞い上がり、さながら小さな怪獣のようです。

ハッチアウトの時とは違い、飛び出す時の体の向きは一定ではないようです。
正面向きに飛び出た時は、一体何が写真に写ってしまったのかと・・・笑

奇想天外な姿に、びっくりさせられました。

このジョーフィッシュのオスの巣穴の周りには、複数のメスの巣穴がありますが、どのメスに求愛しているのかな、と考えてしまいますよね。

大きく開いた口を正面から見せたいのか、エメラルドグリーンの婚姻色が出た体側面を横から見せたいのか・・・。どうなんでしょう。どっちもかな?

思ったより高いジャンプ、そして思ったよりは滞空時間があります。
一拍ずれたかなというシャッターの切り方でも、まだジョーフィッシュの体がしっかりと、写真に写っていたりします。捕食の時の飛び出し方とは、明らかに違うんですよね。

小さな魚の、大迫力の舞台はとても見応えがあり、とっても感動的しました。

普段はとても可愛らしい、愛嬌のある魚なのですが、真夏の早朝に、砂を吐くような勢いで空に向かって飛び出していたとは・・・笑。
6年くらい、この魚の住むビーチを潜っていますが、まだまだ知らないことだらけだなぁ、と思いました。

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昼間の海も、生物の活性が上がり、夏らしくなってきました。
皆様のお越しをお待ちしております^^

アミメハギの卵保護、ハッチアウト。

2022/07/17,18,23 山口県周防大島、水温20℃→21℃

アワサンゴの森に向かう途中、至る所にアミメハギがいるのですが、
今の時期は、多くの個体が卵保護しています。

お母さんアミメハギが、甲斐甲斐しく卵のお世話をしています。

個体差はあるかもしれませんが、そーっと観察していると、
何度も卵にキスする姿を見ることができます。

卵に付いたゴミを取ったりしているのでしょうか。
とても可愛らしいです。

↓は、前日撮影した同じ卵ですが、この時はまだ、翡翠のような色をしていて、しかも透明感がありました。

それが、次の日には あっという間に黒っぽくなっていました。
おそらく夜にはハッチアウトするのではないかと思われました。

しかしこの日はナイトダイビングに行けず、↑の卵の観察はこれまで・・・。

さて、その一週間後にナイトダイビングをする時間があったので、熟れ時の卵はあるかなぁと、日没後にエントリーして探してみると、先週と同じくらい熟れている卵を見つけました。

辺りが暗くなりかけてしばらくすると、お母さんアミメハギのヒレの動きに合わせるように、稚魚が1匹ハッチアウトしていきました。

最初の1匹がハッチアウトした後は、パラ、パラ、パラ、と・・・、

糸のようなキラキラしたものが、飛び立っていくのが見えました。

とっても感動しました。

先週あたりから、卵をたくさん見かけるので、いつまで産卵が続くのか、これからも観察してみようと思います!



生物達がソワソワとしていて、
夏がやってきたなぁ、と実感しています。
皆様のお越しをお待ちしております💕

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✨瀬戸内アワサンゴの森✨スライドショー

周防大島、夏の海。

2022/07/02 山口県周防大島 水温18℃

生物が活性化してきて、夏らしい海になってきました。

海藻をもぐもぐと食べている、
クロヘリアメフラシに出会いました。

ウミウシやアメフラシは、目がとてもキュートです。

波に揉まれて、体が倒れそうになっても、もぐもぐ・・・

随分と長い間、食事をしていました。

喧嘩中のハオコゼの雄たち。睨み合って勝ったのはどっち・・・?

右のハオコゼを追い払い、ふーふーと頬を膨らませて、クールダウン中。今回の勝者は、左側の雄でした。

身重の雌のハオコゼもいました。
パンパンのお腹は、卵が透けて見えそうなほど膨れ上がっています。物憂げな表情が美しかったです。

チャガラは、なんだか痩せ細った個体が多かったですが、
腹びれが青く、綺麗です。

ホンベラの雄も鮮やかさを増してきて、縄張り争いに精を出していました。

アワサンゴはイタボヤに侵食されている個体がいくつかありました。

今の時期、時々見かけることがあります。

アメフラシの卵も、アワサンゴの周りなど、至る所に産み付けられています。

可愛いシラユキウミウシや・・・

いつも通りの、上を向いたメバル。

夏の風物詩、スズメダイの卵は孵化間近です。

卵保護をするスズメダイの雄は、親も子も、目がとても綺麗で、
何枚も撮ってしまいます。




透明度の下がる、瀬戸内の夏の海ですが、
生物の観察が、一番楽しい季節だと思います!

ジョーフィッシュのハッチアウト

2022/7/4 周防大島 水温19℃

日没後の海底にて・・・

ジョーフィッシュのハッチアウトが始まりました。
顎から溢れそうなほどのたくさんの卵塊です。

いつもは臆病な魚なのですが、
ハッチアウトの時は、少しでも遠くへ稚魚を飛ばそうと、
体を巣穴から乗り出して、一生懸命です。

潮流の関係なのか、いつも同じ方向にハッチアウトさせているようです。

私自身が久しぶりのジョーフィッシュの撮影だったので、
いつもより、気持ち、離れた位置で、斜め後ろから、息をひそめて観察しました。

私たちがレギュレーターで呼吸する音は、多分、魚にとっては未知の、びっくりするような音なんだろうなぁ、と、思います。


(振り返って辺りを伺うジョーフィッシュ)

孵化という、センシティブで貴重なシーンを見せてくれた、このジョー君に心から感謝です。

はらり、はらりとハッチアウトさせていく、瀬戸内の小さなジョー。
なかなかタイミングが合わず、数年ぶりにハッチアウトを観察したのですが、何度見ても感動的なシーンだなぁ、と思いました。ぜひ皆様に、ご覧いただきたいです。

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✨瀬戸内アワサンゴの森✨
スライドショー


↑アワサンゴと時々コブダイ ワイド撮影✨

↑ゴマフビロードウミウシとアワサンゴ マクロ撮影✨

アワサンゴの撮影のイメージ作りに、是非ご覧くださいませ✨

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