ダイビングを初めて、まだ2カ月くらいの頃・・・、
幸運にも、たまたま一眼のカメラをお借りして潜らせて頂く機会があり、
その時に初めて、レンズを通して見える繊細な世界のことを、
知りました。
自分の眼を通してじかに見たものが一番だ、と、疑いもせずに思っていた、
その価値観がひっくり返ったあの日のことを、
私はきっと、忘れません。
カメラは本当に便利な道具で、
裸眼では気付きようのない、繊細な色、繊細な形状、繊細な質感を
見せてくれ、教えてくれ、
私達に、気付きをもたらしてくれます。
それらの気付きの後、再び自分の目を使って見ると、
自分の目もまた、以前より繊細になったことに、気付くことがあります。
目の前の世界は 何一つ変わってないけれど、
その同じはずの世界は、気付いた分だけ、どんどん、拡大していくのですね。
それがとても、楽しい。
認識しきれないほどのたくさんの情報が、
本当は、一瞬の出来事のなかでさえ 無限大にあるのだろうな・・・と、
制限のある人間の身体の中で、気付いている時・・・。
ありふれた目の前の日常が、とてもワクワクするものに、そして、愛すべきものへと、
変わっていくように、感じます。