一眼レフのレンズをとおして見る世界。

ダイビングを初めて、まだ2カ月くらいの頃・・・、

幸運にも、たまたま一眼のカメラをお借りして潜らせて頂く機会があり、

その時に初めて、レンズを通して見える繊細な世界のことを、

知りました。

 

自分の眼を通してじかに見たものが一番だ、と、疑いもせずに思っていた、

その価値観がひっくり返ったあの日のことを、

私はきっと、忘れません。

 

カメラは本当に便利な道具で、

裸眼では気付きようのない、繊細な色、繊細な形状、繊細な質感を

見せてくれ、教えてくれ、

私達に、気付きをもたらしてくれます。

 

それらの気付きの後、再び自分の目を使って見ると、

自分の目もまた、以前より繊細になったことに、気付くことがあります。

目の前の世界は 何一つ変わってないけれど、

その同じはずの世界は、気付いた分だけ、どんどん、拡大していくのですね。

 

それがとても、楽しい。

 

 

認識しきれないほどのたくさんの情報が、

本当は、一瞬の出来事のなかでさえ 無限大にあるのだろうな・・・と、

制限のある人間の身体の中で、気付いている時・・・。

ありふれた目の前の日常が、とてもワクワクするものに、そして、愛すべきものへと、

変わっていくように、感じます。

 

キヌバリの幼魚。

12月28日 レモンの森

レモンの森の浅瀬が、キヌバリの幼魚で賑わっています。

お腹の向こう側の景色が透けて見えるほど、透明な体。

キヌバリの特徴である、黒のラインが目立ちます。

この時期、キヌバリの幼魚は群れで生活しているようですが、

一定の距離を保ちつつ逃げて行くので、なかなか近づけません。

この時は、20匹ほど群れていましたが、

私がカメラを向けると、スイ~スイ~と、微妙に遠のいて行ってしまうのでした・・・。

あれ。群れの中に、頭が黄緑色の幼魚・・・。

裸眼で見た時、私は最初、別の魚がキヌバリの群れに混じっているのだと思っていました。

しかし、家に帰って写真を拡大してみると、黒い縦線がちゃんと見えます。

↑そしてこちらの個体は、黒のラインが大分出ています。

こんな風に少しずつ、色づいていくのですね。

この子達も、キヌバリの幼魚だったとは。

こちらは、「金魚のしっぽ」で同時期に撮影した、

もう少し成長した キヌバリの若魚です。

同じ周防大島でも、産卵や孵化の時期が、少し、違うようです。

子持ちのメバル。

12月27日 金魚のしっぽ

岩陰に、お腹をパンパンに膨らませた、子持ちのメバル。

昼間、そろって、斜め上を向いて佇んでいる、

メバルの群れを、よく見かけます。

なぜメバルは、斜め上を向くんだろう・・・。

少し、不思議な光景です。

この子持ちのメバルも斜め上を向いていますが、

膨れ上がったお腹が、重たげです。

極小のアワサンゴ

12/26 レモンの森。

ミリ単位の極小のアワサンゴが今、

レモンの森の至るところに生えています。

成長したアワサンゴの冴え々々とした緑色とは違い、

まだ若い小さなアワサンゴは、

茶色の苔のような、くすんだ色をしています。

見ようと思って意識していないと、通り過ぎてしまうくらい、

小さくて、地味なのです。

ですが、目を凝らしてよく見ると、

そこらじゅうに、たくさんいます!

極小のアワサンゴは、質感がとても、ふっくらとしています。

そのことに気付くと、

ひとつひとつ 表情が違って見えてきて…

観察していると、

あっという間に 時間が過ぎてしまいます。

 

金色のヒレと卵保護。

12/3  金魚のしっぽ

黄金色のヒレ・・・。

アイナメの婚姻色です。50㎝はありそうな、大きなアイナメの父親です。

アイナメは警戒心が強いイメージがありますが、

この父親は、カメラにも動じず、威嚇してくるほどです。

ステージの異なる、いくつもの卵塊を守っていました。

ひと岩を埋め尽くすほどの量の卵塊を、

私は、初めて見ました。

産まれたばかりの卵でしょうか。

艶々としていて、宝石のブルートパーズのようでした。

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