プラヌラ幼生の旅立ち/アワサンゴ

2022/09/10 山口県周防大島 地家室/水温23℃

今日のアワサンゴの森では、可愛いタコが穴の中で一休み中でした。

2週間ぶりの海、そろそろ、アワサンゴのプラヌラ幼生がたくさんいるはず、とワクワクしながら向かったのですが、予想に反して、あんまりいないなぁ・・・というのが最初の感想でした。

曇り空だったのでポリプも縮み気味で、黄色いプラヌラ幼生を見つけても、一株の中に一粒、二粒といった程度です。見渡しながら群生地をざっと泳いでみましたが、少ないな、という印象は変わりませんでした。

一方で、死んで白骨化したアワサンゴの骸の数は増加したように感じられます。プラヌラ幼生を産む前に白骨化してしまったのだとしたら、今年はちょっと、海の中は例年と様子が違うのかもしれません・・・。

諦めて、群生地から波打ち際のエキジット場所へと戻る途中、
砂地にポツポツと岩が転がっているような場所に、ころん、ころん、と、アワサンゴが生えていました。寄生したヒトエカンザシゴカイが綺麗でした。

その時、視界の隅っこに見えたアワサンゴが黄色っぽいように一瞬思えたので、あら? と、顔を近づけてよく見ると、今日見た株の中で一番、プラヌラ幼生を宿していました。

アワサンゴの体内で、スイスイと活発に動くプラヌラ幼生をじっと見つつ、
プラヌラっていつもこんなに動いていてたかなぁ、と考えていたら、

スイッ、と、側のポリプから、幼生が旅立っていきました。

ポリプの真ん中から旅立つ前の、ちょっとだけ外に出たプラヌラは、
真珠みたいだなぁ、といつも思います。

飛び出る時の潮流によって、ピュッと一瞬で飛び出てくるように見える時もあるし、ころん、と果実がもげるように出てくる時もあります。

この、ゴマみたいに小さな生物の中に、育ちゆくための数多の情報が詰め込まれているんだろうな・・・と想像すると、それだけで面白いというか、可愛く思えてくるのが不思議です。毎年観察しますが、可愛いな、と思っています。本当ですよ。笑。

住みやすい着底場所が見つかるといいな、と思います。

砂地の帰り道には、イトヒキハゼがいて、もう少し近寄って写真を撮りたかったけれど、警戒されてしまい、すぐに巣穴に入ってしまいました。

ホシノハゼは、横から見ると、紫のラインがとても綺麗よね、と思いながら、通りすがりにシャッターを切りました。

キヌバリの婚姻色を見つけると、夏から秋に移りゆく季節の気配を感じます。

横からよりも、意外に真正面からの方が寄りやすいのは何故なんだろうか、と
時々不思議に思います。

ホンベラの幼魚は、背鰭の青い目玉模様がとても綺麗でした。

そして、最近増えたなぁ、と思う、オヨギイソギンチャク。

今日は、泳いでいる姿を初めて見ました。
左の海藻、ホンダワラにくっつくのかな、と思っていると、

体を伸び縮みさせて、横に泳ぎました。

最後は、手足をぐーんと伸ばして静止すると、
パラシュートのように、ゆっくり下へと落ちて行きました。

私より器用かもしれないな、と感心しました。笑。

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